連覇を目指す青森山田、勝っても“笑わないチーム” 高校サッカー選手権

後半、この試合2点目のヘディングシュートを決めた青森山田・松木玖生(左)=浦和駒場スタジアム(撮影・園田高夫)
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 「全国高校サッカー選手権・3回戦、青森山田4-1富山第一」(3日、駒場スタジアム)

 2連覇を目指す青森山田(青森)は、夏の高校総体準優勝・富山第一(富山)と対戦して4-1で勝利。前日の2回戦でも先制点を決めたMF松木玖生(くりゅう=1年)が2得点を決めるなど、セットプレーを起点に4得点。難敵を退けて8強へと駒を進めた。

 青森山田は“笑わないチーム”だ。高校生活最後となる冬の選手権。もちろん得点時には喜びを爆発させるシーンはありながら、試合後は決して浮かれた様子はない。スタジアムでのヒーローインタビューを受けたMF松木は「納得いく得点の取り方ができていると思います」と得点シーンを振り返り「優勝するためにここに来ているので」と冷静沈着に語った。

 相手は夏の高校総体で準優勝した富山第一。互いに堅守が持ち味なチームなだけに流れの中での攻撃は両チーム守備陣が踏ん張る展開となったが、徹底的にこだわってきたセットプレーが勝敗を分けた。前半7分の先制点はロングスローから最後は松木が押し込み、2点目は直接FKを、3点目は右CK、4点目は左CKをそれぞれ頭で合わせてネットを揺らした。

 黒田監督が「いつも、特に気を使うのがこの(2日連続での試合となる)2回戦、3回戦」と語る現行の大会日程では鬼門となる連戦。そこでの強敵撃破について指揮官は「われわれは失敗例をいっぱい持っている。自分たちのサッカーができない時にそれだけにならないようにやるのが、今年のチームの目標」。23年連続25回目の出場。3年前には悲願の初制覇を達成するなど、頂点からの景色も見た。大会を熟知する経験がある。

 だからこそ、一喜一憂しない。試合後にはスタッフ陣が報道陣に通達して事前に決まっている発車時刻にチームバスを出発させ、次の試合への準備を徹底する。既にプロ入りが決まっている主将MF武田は「チーム全体として優勝するという目標を共有しているので。そこまでは通過点?そうですね」と“笑わない理由”を明かす。王者は最高のエンディングを迎えてこそ、心の底から笑うことができる。

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