JFL 入場者数水増し行為の奈良クラブに罰金100万円など処分決定

 サッカーJFLは26日、入場者数の水増し行為を行っていたことが判明した奈良クラブに対し、20日に開催したJFL理事会において審議し、以下の通り処分を決定したことを発表した。

 奈良クに対し、JFA裁定委員会により罰金100万円。中川淳代表取締役社長に対し、JFA懲罰規定により来季JFL第1節から第10節まで公式試合についてフィールド、ベンチ、ロッカールーム等の区域に立ち入ることを禁止。矢部次郎代表取締役・NPO法人奈良クラブ理事長に対し、けん責(始末書提出)の処分を科した。

 処分理由は以下の6点。【1】JFLは、入場者数の発表を行うことにより透明性を保つことでスポンサーやファン、サポーターの信頼を得ていたことを勘案するとJFL全体の信頼を失墜させた。【2】本行為は、一部報道機関にも取り上げられ社会的な影響があった。【3】本行為は、チームの役員の指示により行われたものだが、数名の試合運営関係者も承知の上で行われていたものである。【4】JFL入会当時から水増し行為が恒常化しており、その責任は軽くない。【5】本行為について、JFLが確認した際、当初は否定していた。(虚偽の報告)【6】入場者数は、他リーグ(Jリーグ)への入会条件の一つとなることから大変重要な数値であると言える。

 奈良クは今月7日、「ホームゲーム入場者数のカウントに関する調査報告」との文書を発表。SNSの投稿で観客席の写真とともに水増しを指摘され、調査の結果、15年度より継続的に行っており「ここに報告させていただくとともに深くお詫び申し上げます」と謝罪した。

 水増しが行われたのは15~19年度のJFLリーグ戦。実数との差異(1試合平均)は15、16年は資料が残っていないとして、17年が498人、18年が444人、19年が567人。

 背景として、J3昇格基準である年間入場者数3万人を達成するため「なるべく多く見せたいとの気持ちが働き、徐々に水増しすることが常態化していきました」としている。「本年は水増しを止めようと開幕戦に臨みましたが、開幕戦・2試合目と入場者数が伸びず、このままではシーズン早々に年間3万人を達成できないことが確定してしまうとの危機感から、2試合目から水増しが再開され、その後常態化し、シーズン終了まで続きました」と悪習を断ち切ることができなかった。

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