神戸、初タイトル王手!イニエスタ弾で初決勝 鹿島とこけら落とし新国立で歴史刻む
「天皇杯・準決勝、神戸3-1清水」(21日、ノエビアスタジアム神戸)
J1神戸がクラブ創設25年目で初タイトルに王手をかけた。天皇杯では初の決勝進出。過去に2度はね返された壁を打ち破ったのは、主将のMFイニエスタだった。
役者が違った。前半13分に左足で先制点。8月23日のリーグ鳥栖戦以来、公式戦4カ月ぶりのゴールに「試合を優位に進めるため大事なゴールだった」と振り返った。2-1の後半24分にはFW古橋のゴールをアシストし、試合を決定付けた。「決勝の舞台に立てること、今日の試合に勝てたことは本当に幸せ」と喜びに浸った。
9月下旬に右足親指を骨折した影響もあり、リーグ戦の終盤2試合を欠場。13日の一般公開練習では別メニュー調整だったが、大一番に照準を合わせてきた。チーム最多4本のシュートを放ち、巧みな技術と急所を突くパスで決定機を創出。初出場した天皇杯で別格の輝きを放った。
今季限りでの現役引退を表明しているFWビジャはコンディション不良でベンチ外となった。欠場した盟友に決勝の晴れ舞台を用意したイニエスタは「その舞台に立って試合を戦えるよう願っている」と思いやった。
新国立競技場のこけら落としとなる、元日決勝の相手は鹿島に決まった。20冠の名門だが、イニエスタはスペイン代表とバルセロナで32冠を誇る。優勝の味を知り尽くすが「全力で勝ち取りたい」と飽くことはない。「1月1日に勝って、皆さんに幸せをお裾分けしたい」。自身33個目の、神戸にとって初めての栄冠を約束した。