久保建英あぁ幻V弾…無情オフサイド 強豪相手に十分通用「自信持っていいのかな」

 「南米選手権・1次リーグ、日本1-1エクアドル」(24日、ベロオリゾンテ)

 日本は1次リーグ第3戦でエクアドルと1-1で引き分け、初の8強入りを逃した。前半15分に中島翔哉(24)=アルドハイル=が先制点。同点の後半ロスタイムには久保建英(18)=レアル・マドリード=がゴールネットを揺らしたが、オフサイドの判定で勝ち越せなかった。準々決勝には各組2位までと3位の成績上位2チームが進出。2分け1敗でC組3位の日本は、B組3位のパラグアイと勝ち点2で並んだものの得失点差で及ばなかった。

 いちるの望みにかけるように、久保は胸の前で手を合わせて祈った。後半ロスタイム。MF中島のシュートのこぼれ球に反応して右足でネットを揺らしたが、オフサイドの判定が下った。

 「オフサイドだろうな、と思ってたんですけど、クリアミスとかにならないかなと」。相手DFのクリアミスと判定されれば、オフサイドは適応外。だが、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の末に出された判定は変化なし。願いは通じず、劇的だったはずの決勝弾は幻と消えた。

 出色のプレーだった。チリ戦と同じトップ下で先発。連係不足が明白だった初戦に比べ、まぶしく輝いた。前半13分にMF中島に出したスルーパスを皮切りに、同15分には先制点の起点となる縦パスも供給。その後も攻撃をけん引し、危険なパスを何本も出した。

 18歳の胸には悔しさと手応えが同居する。「自分もチャンスがあったので悔しい。でも今、持っているものは出せた」。大会最年少で参加した、世界屈指のハイレベルな舞台。「普段やることのない相手と戦えて、やってて楽しい。大会の熱気も感じる。サッカーをやっていく中で、初めての経験だったので、そこは良かった」

 勝利へ導くことはできなかった。それでも「自分が持ってるものを出せなかったら結構、絶望しちゃうと思うが、そんなのは全然なかった。やれることはやれた。そこは自信を持って良いのかな」と振り返った。

 帰国後には、スペインでの新たな挑戦が始まる。「まずはしっかり帰るまでが代表なので。その後また、(話す)機会があれば」とけむに巻いたが、デビュー戦となったエルサルバドル戦、そして南米選手権で無限の可能性を確かに示した。

 祈りは通じなかった。ただ「これでサッカーは終わりじゃないので、次に向けて頑張るしかない。国を背負って戦う誇り、うれしさを感じられた。またこういう舞台に立てれば」。久保建英はもっとうまくなる、もっと強くなる。

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