神戸、ビジャV弾で初星 本拠開幕でJ1号!スタンドの家族に投げキス…母は涙

 後半9分、J初ゴールを決め、家族が見守るメインスタンドに手をかざす神戸のビジャ
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 「明治安田生命J1、神戸1-0鳥栖」(2日、ノエビアスタジアム神戸)

 J1神戸に新加入した元スペイン代表FWダビド・ビジャ(37)が、ホーム開幕戦で待望のJリーグ初ゴールを決めた。0-0で迎えた後半9分、GKとの一対一を冷静に右足で流し込んだ。ビジャにMFイニエスタ、FWポドルスキを加えた“VIP”トリオの一角によるV弾で鳥栖を1-0で下し、神戸が今季初勝利を飾った。

 足元に思わぬ幸運が舞い込んだ。相手の裏に抜け出したFWビジャへMF山口が浮き球を送る。一度は鳥栖DF高橋が頭でクリアしたが、ボールは鳥栖MF谷口の足に当たってビジャの目の前に転がった。背番号7は絶好機を逃さず、冷静に左隅へ流し込んだ。

 後半9分。待望のJリーグ初得点は、神戸に今季初勝利をもたらす決勝点にもなった。「ゴールできたことを喜んでいる。素晴らしい試合ができた」。笑顔でコーナーフラッグ付近へ駆けたビジャは、観客席に向かって右手で投げキス。その先には最愛の家族の姿があった。来日中の母サルバドーラさんは喜びの涙を流していた。

 不発に終わったC大阪戦の左FWから1トップにポジションを変えた。「どちらも心地良くプレーできるポジション」と話すが、よりゴールに近い位置を取ることで相手の脅威となった。前半11分に後方からのパスをダイレクトボレーで合わせた。同34分にはDFダンクレーの縦パスを受けるとバーを叩く一撃。両チーム最多5本のシュートを浴びせた。

 総走行距離はフィールドプレーヤーで両チーム最低(90分間出場)の8・9キロだが、最終ラインとの駆け引きの鋭さは別格だった。機転の利いたパスでビジャの特長を引き出した山口は「顔を上げると動きだしているのですごく(パスを)出しやすい。相手がラインを上げても、うまく膨らんでオフサイドにならない動きだしはさすが」と目を見張る。

 “VIP”トリオもビジャを祝福した。イニエスタは「とても喜んでいる。世界クラスの選手でチームにゴールと勝利をもたらしてくれる」。ポドルスキも「1回のチャンスを決め切る彼のようなクオリティーの選手がいてくれるのは心強い」と賛辞を並べた。

 試合後はピッチ内に6歳になった長男ルカ君を呼び寄せ、ゴール裏でチームメートと肩を組み、サポーターの歌う応援歌「神戸讃歌」を聞きながら勝利に酔いしれた。記念すべき一発も、スペイン代表で歴代最多59得点を記録した名手にとっては不十分だ。年間を通じてプレーしたシーズンで2桁得点を下回ったのは、負傷に泣いたバルセロナ時代の11-12年のみ。「自分の仕事はゴールを決めること。毎試合その仕事を続けるだけ」。ゴールへの渇望を隠すことはなかった。

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