横浜M、元社員「契約書に使う」で3300万円着服 弁済合意で被害届出さず
J1横浜Mが20日、元経理担当社員による収入印紙3300万円分の着服、私的流用を公表し、黒澤良二社長が謝罪会見を開いた。同社員は6月11日付けで懲戒解雇されたものの、公正証書を作成した上で全額の弁済計画に合意しており、返済が履行される限りは警察に相談はしないとしている。
黒澤社長は会見で「Jリーグに所属するチームとして、このような処分を受けることは大変申し訳なく思っております。サポーターの皆様。パートナーの皆様を初めとする関係者の皆様。すべての皆様に大変申し訳なく思います。この場をお借りしてお詫び申し上げます」と謝罪し、十数秒、頭を下げた。
横浜Mの調査によると、当該社員は高級飲食店や、デパートでの衣服の買い物などの遊興目的で、2012年3月ごろから2018年の4月ごろまで、ほぼ毎月、「契約書に使う」という理由で収入印紙を管理担当者から受け取り、金券ショップで換金していたという。
今年1月、当該社員は経理から異動したが、別の担当になったにも関わらず収入印紙を持ち出していたことを不審に思った現経理担当者が上司に相談し、今年4月ごろに発覚したという。
横浜Mは社内処分として、当該社員を6月11日付けで懲戒解雇にした。また今後、黒澤社長は役員報酬20%を3カ月間減額する。Jリーグからはクラブに対する処分として、けん責と制裁金300万円が科された。
なお、クラブ側は本件について、被害届の提出はしていない。今後も、合意した計画通りに弁済がなされる限りは警察に相談することはないとしている。当該社員の年代、性別も公表しなかった。