横浜M久保がJ1初弾 イニエスタと“バルサ対決”「1ミリでも差を埋められれば」

 「明治安田生命J1、神戸0-2横浜M」(26日、ノエビアスタジアム神戸)

 横浜MはFC東京から期限付きで加入のFW久保建英(17)がJ1初得点するなど神戸を2-0で破った。17歳2カ月22日でのゴールは、FW森本貴幸(福岡)が東京V時代の2004年に記録した15歳11カ月28日に次ぐJ1歴代2位の年少記録。神戸はMFアンドレス・イニエスタ(34)が奮闘もゴールが遠かった。名古屋はFWジョー(31)が3得点と活躍し、浦和に4-1で大勝して6連勝。鳥栖はFWフェルナンドトーレス(31)のリーグ戦初ゴールなどで、G大阪に3-0で快勝した。

 才気宿る左足で自身の価値を、可能性を証明した。J1初先発のFW久保が後半11分に決勝点となるJ1初ゴールを決めた。ピッチ中央から右サイドへ展開し、ペナルティーエリア内で再びパスを受けると、冷静にゴール右隅に突き刺した。起点からフィニッシュまで、流れるようにプレーを完結させた。17歳2カ月22日での得点はJ1歴代2位の年少記録。「こんな早いタイミングでゴールできて、ビギナーズラックにならないように頑張らないといけない」と喜びをかみしめた。

 今夏にFC東京から期限付き移籍した。前所属では4試合58分間の出場機会しか得られず、港町に新天地を求めた。「今回新たな決断をして、結果が出なかったら『やっぱダメじゃん』と言われるのは明らかだった」。10代ながらに背水の覚悟を明かした。ゴール直後は雄叫びを上げながらベンチへ駆け、自身を信頼してピッチに送り出してくれたポステコグルー監督と歓喜の抱擁を交わした。

 バルセロナの先輩でもある神戸MFイニエスタとの対決が注目を集めたが、「自分ちょっと下部組織をかじっただけ。バルセロナ対決と言われてもおこがましいし、天と地ほどの差がある」と気負いはない。それでも「その差を今日のゴールで1ミリでも埋められれば」と高みを見据えた。

 取材エリアでは最後に「久保くんじゃなくて、久保建英なんでよろしくお願いします」といたずらっぽく笑って頭を下げた。少年のあどけなさがまだ残る表情には、一方でプロフェッショナルの矜持(きょうじ)も色濃くにじんだ。

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