サッカー界はW杯ロシア大会ムードが徐々に高まりつつある。そのロシア行きを期待されるだけの結果を残しながら選外となった選手の1人が、昨夏にオランダへ渡り、躍進を遂げた次代のエース、19歳のMF堂安律(フローニンゲン)だ。昨季はリーグ戦で29試合9得点。20年東京五輪、22年W杯カタール大会での活躍が期待される男は、いま何を思うのか。オランダでの日々と、その思いに迫った。
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-W杯は候補に挙がりながら残念だった。
「悔しかった。でもできることはやったから、今はこれで選ばれへんなら仕方ないと思っている」
-堂安選手に期待する声も大きかった。
「それは選手として率直にうれしかった。自分のやってきたことが、やっと少しずつ分かってもらえているのかなと思える」
-W杯の見え方に変化はあったか。
「少し近づいただけでまだ行けてない。変わらず憧れの場所だし夢。でもより現実的になってきたかな」
-16日に20歳になる。
「まだ10代がいいな。『丸くなった』と言われたくないので。もともと強気。負けず嫌いを表に出せるこの性格には助けられた」
-オランダで一番感じたことは。
「やっぱり全ては結果。点を取ったらボールも集まったし、だからこそ代表への声も増えている」
-オランダ生活は。
「オフはユーチューブ(動画サイト)で英語の勉強。欧州でしかできないことがしたいので、観光も行く。オススメは(イタリアの)ベネチア。自炊もする。けど『実はこれ入れてるねん』って言いたくて、隠し味を入れたら、やりすぎて生姜(しょうが)焼きが変な臭いになった。得意なのはカレー。玉ネギをあめ色になるまで炒めて作るんだけど、めっちゃおいしい」
-2年後には東京五輪がやってくる。
「全然実感がない。街で東京五輪のマークを見ても『気合入ってるなぁ…』って。でもきっと盛り上がる。五輪で一番輝いた選手になりたい」
-リオ五輪にはよく知る選手も出場した。
「(井手口)陽介くんは五輪を経験してどんどん(伸びて)いった。刺激をくれる最高の大会だと思う。一流選手は出ないかもしれないけど、母国開催。ブラジルのリオ五輪ではネイマールも出た。がむしゃらに主役を取りにいきたい」
-五輪と言えば。
「柔道の谷選手の『ママでも金!』(笑)サッカーだと北京五輪の日本が負けたオランダ戦は小学生の頃、銭湯で見ていた。自分もそんな世代になったのかと痛感する」
-オランダは2月の平昌五輪でスピードスケートが強かった。そちらの雰囲気は。
「めっちゃ盛り上がってた。日本人がメダルを取ったときはチームメートから『取ったぞ!』って言われた。オランダ代表のチームメートとは『東京五輪で会おうぜ』と話しているので楽しみ」
-W杯の注目は。
「メッシ!優勝してほしい。普段からよく動画を見るし、毎週試合も見る。日本代表では、宇佐美くんに点を取ってほしい。ドイツでもご飯に連れて行ってもらった。リーグが違うので一概には分からないが、一緒にやった記憶では、あの人は本当にすごかった。追いつけたとは全く思えないし、リスペクトは変わらない」
-4年後のW杯は。
「代表の中心でやらなければという危機感を持ちたい。(同い年の)エムバペ(パリ・サンジェルマン)はフランス代表の10番。負けていられない」
-今後の抱負を。
「代表の夢は諦めず頑張る。個人的にはリーグ戦2桁が目標。(2季目の)来季が本当の実力だと思うので、本物やと思わせる結果をここから15年くらい見せ続けたい」
◆堂安 律(どうあん・りつ)1998年6月16日、兵庫県尼崎市出身。3歳でサッカーをはじめ、西宮SSからG大阪ジュニアユース、同ユースを経て、15年5月に16歳11カ月11日で公式戦デビュー。16年10月のU-19アジア選手権では大会最優秀選手(MVP)に選出された。17年7月からオランダ1部リーグのフローニンゲンに期限付き移籍し、リーグ29試合9得点。4月に完全移籍(21シーズン終了まで)が発表された。172センチ、70キロ。利き足は左。