仙台 劇的ドロー 3・11へ思い…菅井が執念の同点クロス「言葉では言い表せない」
「明治安田生命J1、仙台1-1神戸」(10日、ユアテックスタジアム仙台)
11日に東日本大震災から7年を迎える仙台は神戸と1-1で引き分けた。思いが結集した執念のゴールに、仙台が沸いた。「復興応援試合」として開催された神戸戦。1点を追う後半41分。MF菅井の右クロスを、FWジャーメインがシュートミス。そのこぼれ球をFW石原が歓喜の同点弾だ。
「決めてくれと思いを込めて蹴った」と同点に導くクロスを、菅井は振り返った。東日本大震災当時から仙台でプレーする、数少ない選手の1人だ。
「いろんな思いがある。自分の言葉では言い表せない」。被災地への思いは、今でも複雑なものがある。だからプレーで見せる。「最後まで諦めずに戦うところを見せられたのはよかった。本当は勝つところを多くの人に見せたかったけど」と淡々と訴えた。
昨年は震災後初めてホームで迎えた3月11日の試合に敗れた。「去年は必要以上にけしかけてしまった」という反省から、渡辺監督は「伸び伸びとやろう」とシンプルに選手を送り出した。届かなかった勝利。それでも「ひた向きに戦う姿勢で、心を動かすものを届けられたと思います」。原点に立つ戦いは、勝ち点1以上の価値があった。