松山工、ハードワークで8強狙う 189センチGK擁する堅実守備で挑む

 「全国高校サッカー選手権」 (30日開幕)

 松山工(愛媛)が2年ぶり6度目の全国選手権に挑む。パスワークで相手を崩す多彩な攻撃に加え、Jリーグからも注目を浴びるGK伊藤元太(2年)や主将のDF志摩奎人(3年)らを中心とした粘り強い守備で愛媛大会を突破した。目標は、16強入りした2年前を超える「ベスト8」だ。

 2年ぶりに挑む全国舞台。松山工の初戦の相手は3年前の王者・星稜(石川)に決まった。「相手はうまくて速くて強い。そこに臆することなく、気持ちを強く持って戦いたい」。就任6年目の坂本哲也監督(53)は冷静に名門との対決を見据えた。

 昨年は県大会決勝で延長戦の末に松山北に敗北。終盤に走力が落ちた悔しさから、現チームはこの1年、徹底的に走り込んでスタミナ強化に励んできた。今年の決勝の相手は今治東。前半12分に先制点を許したが、松山工は集中力を切らさず2ゴールを奪い逆転。こだわり続けてきた「ハードワーク」を貫き全国切符をつかんだ。

 技術の高い選手がそろうチームの中で、注目は189センチの長身GK伊藤元太だ。「ハイボールへの対応と足元のスキルが自分の持ち味」と語る2年生守護神は、中学2年まではボランチとしてプレー。県の選抜メンバーにも選ばれる逸材として知られていた。GK転向後も、その確かな足元の技術と機敏さは大きな武器に。ビルドアップに積極的に参加して攻撃の起点になる。

 その潜在能力はJリーグからも注目を浴びており、これまでJ1神戸とJ2岡山の練習に参加。神戸では元ドイツ代表のMFポドルスキーのシュートを受けた。「すごい経験ができた。技術的にも成長できたと思う」。念願の“全国デビュー”に向け「自分の持ち味を、しっかりとプレーで表現したい」と意気込んだ。

 その伊藤の前でDFラインを統率するのが主将の志摩奎人。2年前の全国選手権でも1年生ながらスタメンで出場し、「雰囲気や人の多さ、ピッチに立った感覚が全然違った」と振り返る。

 その2年前は2回戦からの登場で、丸岡(福井)をPK戦の末に下して16強入りした。今年はそれを超える「8強」がチームの目標だ。「相手は名門と言われるチームだけど、自分たちの持っている力を出し切れば十分にやれる」。精神的にもチームを引っ張るリーダーは力強く誓った。

 最前線ではFW石井隆之介(3年)とFW向井和哉(2年)の2トップが、ハードワークを続けながらゴールのチャンスをうかがう。2年前は後半途中からの出場だった石井は「前からの守備を心がけている。ゴールも奪ってチームに貢献したい」と力を込めた。

 初戦は大みそか。チーム一丸で白星をつかみ、大舞台で年を越したい。「今まで積み上げてきたものをぶつけて、ベスト8を達成したい」と坂本監督。万全の準備で乗り込み、飛躍を狙う。

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