川崎・中村憲剛 J1通算400試合出場「一生忘れられない試合」
「明治安田生命J1、川崎3-2仙台」(14日、等々力陸上競技場)
川崎のMF中村憲剛が、史上17人目、大卒選手に限れば藤田俊哉氏に続き史上2人目となるJ1通算400試合出場を達成した。試合前のセレモニーでは、愛する3人の子供たちから花束を贈呈され、ホームのサポーターからは、一層大きな声援を受けた。勝利を告げるホイッスルが響くと、力の限りガッツポーズを繰り出し、「一生忘れられない試合になりましたね」と語った。
着実に歩んできた。2003年、中大から当時J2だった川崎に加入。すぐに定位置を確保すると、チームと共に上昇曲線を描いていった。06年には、オシム監督が率いていた日本代表に初選出。10年には南アフリカW杯メンバーにも入った。さらに16年には、JリーグMVPにも選ばれた。自らの歩みを振り返り「(プロ入り後)J2で2年間やって、そこからフロンターレは右肩上がりで成長をしてきた。僕が入った時のことを考えればすごいこと」と語る。
試合後の豪快なガッツポーズは、試合をジャッジした池内主審の目の前だった。基準が曖昧な判定も多く、選手たちにとってはフラストレーションがたまる試合となったが「たまたま目の前にいたから、しょうがない。『おめでとう』と言われて握手もしましたよ」と笑い飛ばした。
31日には37度目の誕生日を迎えるベテランだが、鋭いパスと正確無比なキックは衰えず、試合の勝負どころを見極める眼力は円熟味を増す。リーグは首位・鹿島に勝ち点5差と厳しい戦いが続くが、決勝に進出したルヴァン杯、天皇杯とタイトルの可能性を残している。川崎のシンボルにして、バンディエラ(旗振り役)は、悲願達成に向けてまだまだ走り続ける。