大久保、最多159点 友との約束守った

 「J1、川崎1-0鳥栖」(10日、等々力陸上競技場)

 川崎はFW大久保嘉人(33)がJ1通算得点で単独最多となる159点目を挙げて鳥栖を1-0で下し、首位を奪回した。G大阪はFW宇佐美貴史(23)の今季初得点などで仙台を3-1で下した。鹿島が広島に4-1で大勝し、2位に浮上。前節首位の浦和は横浜Mと0-0で引き分け、3位に後退した。柏はFC東京に競り勝って初勝利。

 疲弊していた心と体を、もう一度奮い立たせた。後半ロスタイム、大久保はこん身の力で飛んだ。「顔面でもいい、当たってくれ!!」。FW小林の高速クロスを頭でぶち込む劇的ゴールだった。

 決定機を生かせない場面もあり「チャンスを『もう一度来い』とも『もう来るな』とも思っていた」。左太もも痛から先発に復帰。「両足ともにつっていた」が、それでも決めるのが最強ストライカーの証明だ。

 約1カ月前、小学校時代の友人である落水洋介さん(33)が筋力などが徐々に低下する難病、原発性側索硬化症(PLS)にかかったことを知った。「俺が点を決めたら、お前の名前を書いたTシャツ見せるから!!」。ゴール直後に『落水洋介 負けるな』と書かれたシャツを掲げ、難病の友を励ました。

 J1通算159得点目。歴代ランクで、初めて単独トップに立った。周囲は佐藤寿人(広島)とのデッドヒートに沸きたつが「まだまだ積み上げていく」と手綱を緩めない。友のため、チームのため、己のため。大久保はゴールを狙い続ける。

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