「明治安田生命Ｊ１、広島０－１川崎」（２７日、エディオンスタジアム広島）

　ストライカーの感性がキラリと光った。０－０の後半３９分。川崎のＦＷ小林悠（２８）がＭＦ中野の鋭い折り返しに反応し、左足で押し込んだ。「最後のところは感覚で動いたイメージ。難しい相手だったので、チャンスをものにできてホッとした」。３年連続となる開幕弾で、昨季王者を粉砕した。

　代表復帰に向け、視界は良好だ。ザッケローニ、アギーレ、ハリルホジッチ体制と歴代３監督から招集を受けているが、いずれの監督下でも負傷離脱を経験。昨年３月にハリルジャパン初陣でも負傷で辞退し、ブログで「神様に言いたい。何回目だよ！そんな俺強くないわ！」と苦しい胸中を吐露した。

　それだけに、今季はフル稼働に意欲を見せる。「体のことを第一に考えてやる。年間を通してやれば、得点も残せる自信はあるんで」。３月７～９日まで国内組のＡ代表候補合宿が行われる。メンバー発表前、最後の試合で存在感を見せた。

　「試合中、必ず一度はチャンスが来る。それを毎試合決められるようにしたい」。エースＦＷ大久保とともに川崎の強力攻撃を支える男が躍進を誓った。