FC東京・武藤が10得点の公約達成

 「J1、松本1-2FC東京」(7日、松本)

 東京のエースが、今季開幕前から公言してきたファーストステージで「10得点」の公約を達成した。デビューから2年連続の2桁得点は、ジェフ市原FW城彰二以来、20年ぶり2人目となる。FW武藤嘉紀の決勝PK弾で勝利した東京は、暫定3位に浮上した。

 1点リードで迎えた前半終了間際、背番号「14」が右サイドからゴールに向かって仕掛けた。そのままエリア内に侵入すると、マークについていた相手DFの手にボールが当たる。次の瞬間、主審がペナルティースポットを指さし、笛を鳴らした。

 武藤は「諦めずに仕掛けたから。ハンドはたまたま。ラッキーもあった」というが、積極性が実った“自給自足”のPKだ。冷静に最後まで相手GKの動きを見てゴール左下に流し込み、得点ランクトップに並んだ。

 終盤、松本に反撃を許して1点差まで詰め寄られたが、逃げ切って2-1で連勝。自身の目標と語っていた10点目はチームを暫定3位に浮上させる価値ある1発となった。

 試合後、取材陣の質問で「そうですね」と気づくと、「(10ゴール目は試合中)意識していなかった」と、白い歯をこぼしてこう続けた。

 「サポーターの前でも言ってきたことだったので、達成できて良かった。残りも全部勝ちたい」

 ラストダンスまで残り2試合。ピッチには変わらず、全身全霊を傾ける武藤の姿があるはずだ。

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