「ＡＣＬ・１回戦第１戦、広島３-１ウェスタンシドニー」（７日、Ｅスタ）

　１次リーグＦ組２位の広島は、Ｈ組１位のウェスタンシドニー（オーストラリア）に３‐１で先勝した。初めて１次リーグを突破した広島はＦＷ石原直樹（２９）が２得点し、終盤に柴崎のゴールで突き放した。Ｈ組２位の川崎はホームでＦ組１位のＦＣソウル（韓国）に２‐３で逆転負け。試合終了間際の失点で、手痛い黒星を喫した。アウェーでの第２戦は１４日に行われる。

　サポーターの前で白い歯がこぼれた。石原に安堵（あんど）と達成感がにじむ。「得点できて良かった」。２得点で大きく勝利に貢献し、表情が崩れた。

　０‐０の後半６分だ。右サイドを突破した柏のクロスに中央でＤＦを一瞬で振り切ると、右足で合わせ、ゴール左隅に突き刺した。同２０分には芸術的シュート。「とっさの状況判断」と、ＧＫの意表を突くループシュートで２点目をゲットだ。剛柔を見せつけた２得点。森保監督は「重要な仕事をしてくれた」と手放しでたたえた。

　身長１７３センチと小柄だが、それでも前線で大柄な相手と互角に張り合った。「体の使い方は得意。そこは１つのアピールポイント。ボールを守るために１、２歩相手より速く動くようにしている」。攻撃の起点となれる強さもこの男の魅力だ。

　４月７～９日には千葉での日本代表候補合宿に初参加。１２日に行われるＷ杯の代表メンバー発表へ、大きなアピールになったことは間違いない。「意識はしていない。見てもらっているのはありがたい。ゴールをしていきたい」と、静かに闘志を燃やす。

　８強入りをかけ１４日に敵地での第２戦に臨む。Ｊ１での３連覇とアジアの覇権を狙う今季。壮大な物語の完結に向け全力を尽くす。