田中陽グンちゃん大好きも…韓倒弾誓う

 「U20女子W杯・準々決勝、日本‐韓国」(30日、国立競技場)

 グンちゃん好きのエースが日韓戦を制す!U‐20女子W杯でベスト8に進出したヤングなでしこが28日、準々決勝韓国戦に向け、横浜市内で調整を行った。26日のスイス戦で、左右両足でのFKを決めたMF田中陽子(19)=INAC神戸=は、4強をかけた次戦で流れからのゴールを宣言。得点女王にも意欲を示した。3戦連発中のエースは、韓流スターファンを公言する乙女。だが、ピッチでは鬼の形相で韓国を圧倒する。

 夜7時。ナイター調整を終えたMF田中陽は、心地よい夜風に肩までの黒髪をなびかせながら、2年前の雪辱を誓った。

 「あの試合はよく覚えているし、悔しさも忘れていない。今回の韓国戦は、何がなんでも勝ちたい気持ちが強い」

 10年9月25日。カリブ海に浮かぶ島国トリニダード・トバゴで開催されたU‐17W杯の決勝戦で韓国にPK戦で敗れ、世界一の栄冠を逃した。日本が中盤を完全に支配した同戦で、田中陽は一時は勝ち越しとなるゴールを決めたが、試合は延長戦でも決着がつかず、3‐3のドロー。PK戦で1人目のキッカーを任され、ネットを揺らしたが、試合後は悔し涙に暮れた。

 今回はB組を2位通過した韓国と4強をかけて聖地国立競技場で戦う。ロンドン五輪では男子U‐23代表が、3位決定戦で韓国に44年ぶりのメダルの夢を砕かれた。アジアのサッカー史において両国のマッチアップは時に国家の威信をかけた戦いになることは、重々理解している。

 普段は、韓流スター、チャン・グンソクのドラマにはまり、部屋の壁には人気ユニット「少女時代」のカレンダーを飾る、19歳の乙女だ。だが、サッカー選手として韓国は「絶対に負けられない相手」。他国相手には沸かない強烈なライバル心をたぎらせる。前の試合のスイス戦で左右両足でFKを決める離れ業を披露した田中陽は、現在3戦連続ゴール中。期待のかかる得点女王の座も「取れたらうれしい」と、どん欲だ。

 この日の調整ではトップ下で紅白戦に出場し、切れ味のある動きを見せた。「次は流れの中でゴールを決めたい」。日本が誇る美少女司令塔が韓倒に名乗りを上げた。

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