田中が初防衛、亡き祖父にKO星届けた

 「ボクシング・WBOミニマム級タイトルマッチ」(31日、愛知県体育館)

 王者の田中恒成(20)=畑中=が挑戦者で同級4位のビック・サルダール(25)=フィリピン=に6回2分15秒でKO勝ちし、初防衛に成功した。5月に日本選手最速となるプロ5戦目で世界王座に就いた田中は5回にダウンを奪われたが、6回に左ボディーで逆転のKO勝ちを収めた。

 初防衛に成功した田中は、晴れやかな顔で言った。「しょうもない試合をしちゃったけど、結果オーライでお願いします!!」。6回、左ボディーで仕留めた。相手はロープ際に大の字で倒れると、立ち上がることができなかった。

 5回、相手の右ストレートを食らい、ボクシング人生で初めて膝をついたが、田中は驚くほど冷静だった。

 「左ボディーの感触があった。ちょっとずつ効いているのも分かっていた。ダウンに関係なく、プレスをかけていこうと思っていた」。計算通りに左ボディーで勝負を決めた。

 15年5月、世界をとったイエドラス(メキシコ)戦は判定勝ちだった。半年後の11月7日、祖父・健裕さん(享年72)が死去。頑固だったが、誰よりも孫をかわいがっていた祖父との約束がKO勝ちすることだった。

 試合後、マイクを握って言った。「16年は2階級制覇することを誓います!!」。7戦目での2階級制覇となれば、8戦目の井上尚弥(大橋)を抜いて最速となる。最速東洋太平洋王者、最速世界王者と記録を更新し続けている“尾張の怪物”が、また大記録を作るかもしれない。

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