井岡一翔 無念5階級制覇ならず 頭部外傷で試合後は病院直行 拓真には「ありがとう」伝えた37歳 ボクサー人生の岐路

 「ボクシング・WBC世界バンタム級タイトルマッチ」(2日、東京ドーム)

 王者の井上拓真(30)=大橋=が3-0の大差判定で同級4位の井岡一翔(37)=志成=を退け、昨年11月に那須川天心(27)=帝拳=との決定戦を制して獲得した王座の初防衛に成功した。井岡は日本男子では初の5階級制覇と最年長の世界王座奪取を狙ったが、偉業達成はならなかった。

 試合終了を告げるゴングが響く。井岡は即座に「ありがとう」と拓真に伝えた。KO寸前に追い込まれても前に出続けた。日本男子初の5階級制覇を逃しても、レジェンドの誇りは体現した。

 互いに生命線の左ジャブから入った。左の差し合いはスピードで劣勢。すると右フックを使うなど積極的に前に出た。2回、コーナーに押し込んでからの右ストレートにカウンターを決められ、耐え切れずダウン。3回も押し込みながら右アッパーでダウンを喫した。

 それでも最後まで前に出続けた。右アッパー、右フックで顔をはね上げられながらも引かなかった。プロデビューから17年、世界戦29戦目。キャリアの意地があった。

 世界戦でフェルナンド・マルティネスに連敗、昨年大みそかに階級を上げた。今回の試合前には金髪から黒髪にチェンジ。「11年にタイトル(WBC世界ミニマム級王座)を取った時も黒髪の短髪だった」と振り返り、悲願の5階級制覇への思いを語っていた。

 集大成とした一戦で完敗。試合後は病院で頭部外傷の治療を受けるために会見はキャンセルした。「日本人の魂、挑戦することの大切さを証明したい」と誓っていた37歳がボクサー人生の大きな岐路に立たされた。

 ◆井岡 一翔(いおか・かずと)1989年3月24日生まれ。大阪府堺市出身。興国高で高校6冠。東農大を中退し、09年4月プロデビュー。11年2月にミニマム級世界王座獲得。ライトフライ級、フライ級でも世界王者。17年末に引退表明したが、翌年復帰。19年6月にスーパーフライ級王座に就き、日本男子初の世界4階級制覇。転向したバンタム級では25年12月の初戦に勝利。テクニックに優れた右ボクサーファイター。

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