岩田翔吉、恩師・山本KID徳郁さん誕生日に世界王座奪還 山本美憂さんも歓喜の涙「喜んでいると思う」朝に墓参りで愛弟子の勝利予告
「ボクシング・WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ」(15日、横浜BUNTAI)
同級2位で元WBO世界同級王者の岩田翔吉(30)=帝拳=が、王者ノックアウト・CPフレッシュマート(35)=タイ=に挑み、8回1分33秒負傷判定3-0で勝利した。幼少期に格闘技を始めた恩師でもある故・山本KID徳郁さんの誕生日でもあるこの日に1年ぶりの王座奪還に成功。リングサイドに招待していたKIDさんの姉・山本美憂さん(51)も泣いて喜ぶ中、「美憂ちゃん、やったよ。德さんが格闘技を始めるきっかけをくれて、3月15日に子供の頃から憧れてきた(WBCの)ベルトを巻けて特別な日になりました」と感慨を込めた。
昨年3月の王座陥落から1年。失意で引退を考えた時もあったものの再起し、返り咲きのチャンスをつかんだ。「負ければ終わり。勝てば道が開ける」という大一番で、岩田は圧力を掛けながら上下に打ち分けてペースを握った。右カウンターや左ボディーを効かせて優位に立ち、4回には偶然のバッティングで王者が左目上をカット。8回、3度目のドクターチェックで続行不可能となり、試合を支配した岩田が負傷判定で勝利をつかんだ。
岩田は小学生時代、KIDさんが主催するジムKILLER BEE(後のKRAZY BEE)でキックボクシングを始めて格闘技の礎を築き、後にボクシングに専念した。奇遇にも、2018年に41歳の若さでこの世を去った恩師の誕生日に世界再挑戦が決まり「特別な日にしたい」と発奮していたが、有言実行。「自分が格闘技を始めるきっかけをくれたのが徳さんの誕生日に返り咲けたのは感謝。天国で絶対見てくれていると思うので良かった」と胸を張った。
美憂さんはリングサイドで涙を流し、岩田と抱き合って喜んだ。「絶対に勝つと信じていたが、いざリングの翔吉を見ると緊張して1秒1秒(ハラハラした)。でも有言実行してくれて、KIDも絶対に喜んでいると思う」と感激した様子で語った。この日の朝、49回目の誕生日だったKIDさんの墓参りに行き、「(岩田が)ベルトを巻くところを絶対に見てろよ」と墓前に報告してきたといい、岩田にもそれをLINEで伝えたという。「(天国から岩田を)信じ切っていたと思う。(返り咲きも)当たり前くらいに。でも、自分の誕生日に(世界戦で)勝ってくれるってなかなかないじゃないですか。だから、すごく喜んでいると思う。私もうらやましい」と、天国のKIDさんを思って笑った。
◆岩田翔吉(いわたしょうきち)1996年2月2日、東京都渋谷区出身。日出高3年時に田中恒成と井上拓真を連破し、インターハイ優勝。早大卒で、18年12月にプロデビュー。21年に日本ライトフライ級王座を戴冠し、22年には東洋太平洋、WBOアジアパシフィックと3冠。24年10月にWBO世界王座決定戦でKO勝ちし、早大出身で初となる世界王者となった。25年3月、初防衛戦でレネ・サンティアゴ(プエルトリコ)に判定負けし陥落。右ボクサーファイター。163センチ。




