中谷潤人 Sバンタム級初戦へパワー&スピードに手応え 減量苦から解放「エネルギーにあふれて調整できる」
「ボクシング・12回戦」(27日、リヤド)
サウジアラビアのボクシング興行「ナイト・オブ・ザ・サムライ」の最終会見が25日、同地で開催され、メインイベントに出場する世界4団体統一スーパーバンタム級王者・井上尚弥(32)=大橋、前WBC・IBF統一バンタム級王者・中谷潤人(27)=M・T=ら出場全選手が登壇。WBC同級2位のアラン・ピカソ(25)=メキシコ=と対戦する井上尚は必勝を宣言し、全階級を通じた最強ランキング「パウンド・フォー・パウンド(PFP)」1位への返り咲きに意欲を見せた。
中谷は試金石の一戦に向けて「しっかり準備してきた。27日に発揮する準備はできている」と自信を示した。6月にバンタム級で念願の王座統一を果たし、思い残すことなくモンスターが待つスーパーバンタム級に転向。今回初めて井上と同じ興行に参戦し、来年5月にも見込まれる東京ドーム決戦に向けた最終テストも兼ねるが、「エネルギーにあふれて調整できる」と減量苦から解放されてのパワー、スピードに手応えを示した。
一方で相手もパワーアップする。へルナンデスは20勝(18KO)と高い決定率を誇るだけに「相手はパンチもあるし、僕が組み立ててきたものを一発で崩される可能性が大いにある」と最大限に警戒しつつ、「やってきたことが本当にできるのかテストしたい。どれだけ自分ができるか、相手の耐久力も勉強したい」と課題を明確にした。
来春のドリームマッチは海外でも注目されており、今大会も事前イベントからそれに関する質問が相次いだ。前夜は米リング誌の企画で井上との対談も組まれたが、中谷は「(大会の)プロモーションとして盛り上がるのはわかっているが、自分は(今回)ヘルナンデス選手に対して調整している」と足元を見つめた。最新のPFPでは自己最高の6位に浮上し、世界での注目度も増している。「評価を上げていくのはプロボクサーとして(今後も)変わらない」。明確な目標に向けて、浮足立つことなく、静かに牙を研いだ。
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