中野幹士 プロ15年目・初黒星 痛恨10回ダウン0-3判定負け 世界初挑戦切符スルリ「悔しいです」
「ボクシング・IBF世界フェザー級挑戦者決定戦」(24日、トヨタアリーナ東京)
セミファイナルでIBF世界フェザー級挑戦者決定戦が行われ、同級5位の中野幹士(30)=帝拳=は同級3位のライース・アリーム(35)=米国=に0-3で判定負けを喫し、プロ15戦目で初黒星を喫した。アマチュア時代に19年世界選手権で金メダルの坪井智也(29)=帝拳=はプロ3戦目でスーパーフライ級10回戦に臨み、元WBC同級王者で現1位のカルロス・クアドラス(37)=メキシコ=に8回2分59秒、TKO勝ちした。
目の前に見えていた世界初挑戦への切符がスルリと抜け落ちた。中野が判定負けを喫し、プロ初黒星。引きつつもいきなり踏み込んでくるアリームの強打に押され、13KOを積み上げた“鉄の拳”がなかなか出せない。8回から逆転を信じる幹士コールが会場に沸いたが、10回には右フックに被弾してダウンするなど、流れを取り戻せなかった。会見では消え入りそうな声で「悔しいです」とぽつり。ダウンについては「見栄えが悪かった。やっちゃったなって」と受け止めた。
モンスターの爪痕を肉体に刻んできた。今夏、9月14日に防衛戦を控えていた4団体統一世界スーパーバンタム級王者・井上尚弥(大橋)の練習相手に指名された。緊迫感のあるスパーリングを約20ラウンド実施し「隙がないし、全部がすごかった」と経験を積んだが、同時に「上(のレベル)にいったらやられる。いい経験になったが、一人のボクサーとして悔しい」と痛感。ボクシング界の頂点を身をもって知り成長を誓ったが、今回、元WBA世界スーパーバンタム級暫定王者のアリームに阻まれる結果となった。
順調に進んでいた世界王者への道は白紙になった。30歳の中野は今後について問われると「今は特にない」と言及を避けつつ、「また頑張る気になったら頑張ります」と声を震わせた。
◇中野幹士(なかの・みきと)1995年7月14日、大阪市出身。都立竹台高時代に高校3冠に輝き、東農大ではアマ7冠。2018年10月に2回KO勝ちでプロデビュー。24年9月に東洋太平洋フェザー級王座獲得。身長170センチ、左ボクサーファイター。





