青木真也から殊勲星、手塚裕之が腹切りポーズ「青木さん終わらせた」前日フェースオフで投げられ恨み節「肘から血、腰痛めた」
「ONE」(16日、有明アリーナ)
MMAライト級マッチが行われ、“ジャパニーズ・ビースト”手塚裕之(35)が元ONE同級王者の青木真也(42)に2回28秒、パウンドによるレフェリーストップでTKO勝ちした。「うれしいのはもちろん、ホッとした。3週間前に試合が決まって毎日のようにイメージしてきたので、思い描いてきたフィニッシュが現実になった。これを皮切りにライト級でベルトを取りたい」と声を弾ませた。
1回はタックルでテイクダウンを許し、その後もバックを取られてコントロールされると、脚で脚をロックされての変型ネックロック(ツイスター)で攻められた。ただ、フィニッシュは許さずに2回を迎えると、一気にギアを上げて攻撃。スタンドで右ボディーフックを入れると、相手が前のめりに動きが止まったところでパウンド連打、さらに膝を顔面に入れたところでレフェリーストップとなった。
日本人対決でビッグネームから殊勲の勝利を挙げた手塚だったが、表情をゆがめながら試合後の会見に登壇。脇腹を負傷したといい、せき込むだけで「痛ぇ!」と悲鳴を上げた。「脇腹が、ツイスターを食らって(骨が)バキバキっていったっす。(農家だけに)米を食って寝たら2週間くらいで直るんじゃないですかね」と笑い、「腕を折られても首がバキバキ鳴っても、骨が折れてもタップしないと決めていたので、耐えればチャンスがくると信じていたら、2回にはボディーが入って、相手に疲れが見えて仕留められた。ちょっとゾーンに入った感じがあった。体がめちゃくちゃ痛かったが、いくしかないという開き直りが良かった」とうなずいた。
手塚から求めた一戦だったが、青木からは「やる意味がない」と、すかされ続けた。前日のフェースオフの際には至近距離でガン詰めして挑発したが、不意にいなされて投げられる一幕もあり、その映像はSNS上でも話題となった。手塚は「正直(投げられて)普通に肘をすりむいて血が出たし、腰を痛めた。ぶん投げるんだったら言ってくれよ」と、笑いながら吐露。「(SNSでは)『青木真也かっけえ』って騒いでいたが、そういう問題じゃない。いいけど。プロレスは好きだから」と、受け止めた。
戦前から「青木劇場を終わらせる」と宣言してきたが、勝利後は花道であぐらをかき、ハラキリポーズの後に土下座した。「腹切りで青木さんを終わらせたというムーブを取った。俺も正直ファンの一人だったし、青木さんから学んだ部分はすごくあって、姿勢も技術も、青木さんの教則をダウンロードしたり。栃木に教えに来てくれたり。僕が最後の試合で介錯して、立ち会えたのは誇りに思う」と勝手にONEでの青木のラストマッチと自負を込め、「格という意味では雲の上の存在だと思っているので、感謝しています」と本音を交えた。





