TAKESHITA男泣きG1初V「プロレスラーになってよかった」 高2デビューから13年 「1・4メインに立つ」

 テープが舞う中、喜ぶKONOSUKE TAKESHITA
 優勝旗を振るKONOSUKE TAKESHITA
 EVIL(左)を攻めるKONOSUKE TAKESHITA
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 「プロレス・新日本」(17日、有明アリーナ)

 シングル最強を決める真夏の祭典「G1クライマックス」の優勝決勝戦が行われ、DDT、AEW、新日本と3団体所属のKONOSUKE TAKESHITA(竹下幸之介、30)がEVILを撃破し、2度目の出場で初優勝を果たした。大阪出身のプロレス少年が、現役高校生としてDDTでデビューしてから13年。35周年となる最高峰の称号を手にし「プロレスラーになってよかった」と男泣きした。さらに、前夜破ったザック・セイバーJr.が持つIWGP世界ヘビー級王座に狙いを定め、来年1月4日東京ドーム大会のメインも射程に捉えた。

 夢をかなえた男の目からこぼれた涙が、激闘を物語る大量の汗と混じり合った。歴史ある祭典の頂点に立ち、TAKESHITAは選ばれた者にしか見ることのできない景色を目に焼き付けた。「やっぱり、プロレスラーになってよかった」。リング上で漏れた第一声は本音だった。

 187センチ、114キロの体格。中学時代に陸上で全国大会に出場したこともある抜群の身体能力から放たれるスピードとパワーで今夏を席巻した。決戦の相手となったEVILが計8人がかりで向かってこようと真っ正面から取っ組み合い、セコンドが排除されて1対1になるとおきて破りのEVILを浴びせるなど猛攻。最後は強烈なエルボーで勝機をつかみ、必殺技レイジングファイヤー(旋回式ファルコンアロー)でたたきつけ、悲願の3カウントを奪った。

 幼少期からプロレスに魅せられた大阪の少年は、高校2年時の2012年8月にDDTでプロレスデビューを果たした。昨年から参戦した新日本と1月に契約し、異例の3団体所属となったが、地方大会に出場できず所属レスラーから批判も受けた。それでも「スケールが小さいわ」と一蹴し、“強さ”というプロレスラーとしての最大の価値で周囲を黙らせた。

 2度目の参戦で、平成以降生まれとしては初めてG1を制し、新世代でいち早く頂点に立った。「俺が優勝してクソって思っている選手もたくさんいると思うが、俺もプロレスラーであり続ける限り、ずっと強くなり続ける」。次なる野望として、ザックが持つIWGP世界ヘビー級王座への挑戦を掲げる。「(自分が)王者として1・4のメインに立つ、それが次にやるべきこと。来年どうやってG1を2連覇するか、もう今はそれを考えている」。新時代の旗手の野望は果てしなかった。

 ◇KONOSUKE TAKESHITA(こうのすけ・たけした)1995年5月29日、大阪市西成区出身。本名・竹下幸之介。12年8月に現役高校生レスラーとしてDDTでデビュー。16年5月、21歳でKO-D無差別級王座を獲得し、最年少戴冠記録をつくった。22年11月に米AEWと契約し、さらに25年1月に新日本とも契約して3団体所属となった。25年5月、女子プロレスラー・坂崎ユカとの結婚を発表。得意技はレイジングファイヤー(旋回式のファルコンアロー)。187センチ、114キロ。

 ◆G1クライマックス 1991年に始まった新日本プロレス最強を決めるシングルリーグ戦(トーナメントの年、リーグ戦とトーナメント併用の年もある)。国内プロレス団体では最大級のシリーズで“真夏の祭典”と称される。最多優勝は蝶野正洋の5回。今年は20選手が2ブロックでリーグ戦を行い、優勝決定トーナメント1stステージで各ブロックの2位と3位が対戦。セミファイナルでその勝者と1位が対戦。その勝者がファイナルで対戦する、クライマックスシリーズ方式を採用した。

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