KENTAが丸藤から初防衛、フィニッシュ失敗も大声援が後押し「まだまだやり合っていきたい」
「プロレス・ノア」(16日、後楽園ホール)
GHCへビー級選手権試合が行われ、第48代王者KENTAが32分21秒、go 2 sleepからの片エビ固めで、丸藤正道から3カウントを奪取。初防衛に成功した。
ノアとともに成長した盟友による至宝戦は12年ぶり。超満員の大歓声に背中を押された。KENTAはgo 2 sleepのフィニッシュを失敗し、もう一度顔面への打撃からセット。改めて膝蹴撃を決め「技の失敗を感じさせないくらいの“KENTA”コールありがとうございます。次はバッチリ決める。オレのgo 2 sleepはこんなものではないから」と苦笑い。そして「こんなにたくさんのお客さんの前で丸藤さんと試合ができて、本当に幸せです」と感謝した。
今年2月に11年ぶりに古巣に再入団を果たし、7月に拳王から11年6カ月ぶりに至宝を戴冠。挑戦者の丸藤とともに2000年代前半に「ノアのジュニアは最強です」の言葉を背負いながら切磋琢磨した。ヘビー級に舞台を移し、2006年10月に日本武道館で行われた両者のGHC戦は、歴史的名勝負と今も高く評価される。
この日は異次元の空中技は出ずとも、丸藤は独特の間から巧みなロープワーク、重い逆水平チョップを織り交ぜて奮闘。KENTAは複数の裸絞めバージョンを展開しながら、前蹴りをカウンターで決めてペースを与えなかった。go 2 sleepをエメラルド・フロウジョンで切り替えされ追い込まれたKENTAだが、最後は頭部への激しい打撃から、2度目の膝蹴撃で30分超の熱戦に終止符を打った。
KENTAはリングで「オジサンがベルトを持っていいのか、と考えたがバカだった。オレが先頭で、まだまだノアを盛り上げていく。安心してオレたちの背中についてきて下さい」と誓った。
丸藤はバックステージで「オレとKENTAがベルトをかけたシングルは最後かもしれないと思ったが、もう一回GHCにたどり着いてやる。若いやつも外国人も覚悟しとけ。今のオレはまだ強いぞ」と巻き返しを誓った。そして「改めて、KENTAお帰り」と盟友をたたえた。
引き揚げてきたKENTAは「丸藤さんとやる(ファンの)期待を感じながら、今できることをやりました。若い頃と動きが違うかもしれないし、丸藤さんはオレがgo 2 sleepをやり損なうなんて思わなかったと思う。これが衰えか知らんけど、まだまだやり合っていきたい」と、今後の激闘を見据えた。
最後は「結局、オレが何を言いたいかと言うと…」と“お約束”の前置きから「すごいプレッシャーの後の勝利の快感…やっぱりやめられないってこと」と締めくくった。





