斎藤麗王、初回2度ダウンも大逆転TKOで初タイトル獲得 天国の祖母に涙の報告「勝ったよ」壮絶乱打戦で王者渡辺海を撃破

 逆転のTKO勝利でタイトルを手にした斎藤麗王
 壮絶な打ち合いの末、逆転のTKO勝利でタイトルを手にした斎藤麗王(左)と健闘をたたえ合う渡辺海
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 「ボクシング・WBOアジア・パシフィック・スーパーフェザー級タイトルマッチ」(31日、後楽園ホール)

 同級4位の斎藤麗王(れお、27)=帝拳=は、王者・渡辺海(22)=ライオンズ=に挑戦し、初回から2度ダウンを奪われる劣勢から大逆転した。壮絶な打ち合いを制し、3回2分2秒TKO勝利。プロ戦績7勝(7KO)1敗とし、自身初タイトルを手にした。

 1回から試合は大きく動いた。序盤から打ち合いとなったが、斎藤は王者の強烈な左フックを被弾し、さらに追撃の右ストレートを食らってダウン。立ち上がったものの足がふらつき、連打を食らって2度目のダウンを喫した。なおも大ピンチとなったが、斎藤は何とかクリンチで組み付き、ゴングまで持ちこたえた。

 インターバルを経て、2回は斎藤が反撃。王者をロープに詰めると、左右のフックで顔面を捉えた。壮絶な打ち合いに会場がヒートアップする中、斎藤はゴングが鳴った後に1発入れてしまい、減点1が課された。3回も斎藤が猛攻を仕掛け、渡辺は意地で打ち返していたものの、力が入らなくなったところでレフェリーが止めた。劇的な逆転勝利を果たした斎藤は、コーナーを上って拳を突き上げた。

 壮絶な打ち合いを制した斎藤はリング上で「いつもこんな感じ(の激闘になる)。安心できるような試合ができるようになりたいが、結局こうなっちゃうんで。でも勝てて良かった。2度ダウンを奪われて、減点1もあったが、勝ちへの執着は誰よりも強かった」と興奮気味に語った。

 また、今年3月に祖母が亡くなったことを明かし、「ばあちゃんに勝利(をささげること)が裏のテーマとして強く思っていた」と涙ながらに明かした。入場時には紫色のコスチュームを着ていたが、「『心豊かに しなやかに』というばあちゃんが残した言葉を(背中に)刺しゅうで縫って、勝利を届けられることがうれしい。勝ったよと」と天国に報告した。

 帝拳では、前夜に高見亨介(23)がWBA世界ライトフライ級王座を獲得。「昨日の亨介からバトンを受け継いで、いい形でつなげられた」。自身は今後、世界ランカーとの対戦も見据えつつ、「もっと上を目指したいが、ちょっと休みたい」と傷だらけの顔をさすった。

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