「ボクシング・ＷＢＡ世界バンタム級タイトルマッチ」（３０日、横浜ＢＵＮＴＡＩ）

　ＷＢＣ、ＷＢＡ世界フライ級王者の寺地拳四朗（３３）＝ＢＭＢ＝はＷＢＣ同級２位、ＷＢＡ同級３位のリカルド・サンドバル（米国）に１－２の判定で敗れ、２団体王座から陥落した。ＷＢＡ世界バンタム級では同級２位の比嘉大吾（２９）＝志成＝が王者のアントニオ・バルガス（米国）と引き分け。フライ級の世界王座を失った２０１８年４月以来、国内最長ブランクとなる７年３カ月ぶりの王者に返り咲けず、現役引退を表明した。

　まさかの２戦連続ドロー決着に終わった比嘉は現役引退を表明した。試合後、目に涙を浮かべながら「自分の中では負けと一緒。ずっと自分の中では決めていた。（世界戦）３度目で結果を残せなかったら終わりだと思っていたので、引退します」と明言した。

　４回に左フックでダウンを先取した。しかし、手数を増した王者と一進一退の攻防を繰り広げ、１２回に勝負にいったところ右アッパーを被弾しダウン。結果的にこれが響き、三者ともに１１３－１１３のドロー決着となり、国内最長ブランクとなる７年３カ月ぶりの返り咲きは夢と散った。

　１４年６月のデビューから１５連続ＫＯという日本記録を樹立し、２１歳の若さでＷＢＣ世界フライ級王者に輝いたが、１８年４月に体重超過を犯した。バンタム級で再起し、昨年９月にＷＢＯ王者・武居由樹（大橋）に判定負け。今年２月にはＷＢＡ王者・堤聖也（角海老宝石）とは壮絶な打ち合いの末にドローとなった。三たびの世界戦で再起し「二度あることは三度あるか、三度目の正直かを確かめたい」と覚悟を持って臨んだが、再び栄光をつかむことはできず、名ファイターがリングを去る。

　◇比嘉　大吾（ひが・だいご）１９９５年８月９日生まれ。沖縄県出身。宮古工高出。１４年６月プロデビュー。１７年５月にＷＢＣフライ級王座獲得。１８年４月の防衛戦で体重超過し王座を剝奪された。ボクサーライセンス停止処分を受け、２０年２月に階級を上げて復帰。２４年９月のＷＢＯバンタム級王座戦では武居由樹（大橋）に敗れ、２５年２月のＷＢＡ同級王座戦は堤聖也（角海老宝石）と引き分け。右ファイター。