元SKE48荒井優希、至宝ベルト挑戦も惜敗「勢いや運だけでは届かない」東京女子プロレス

「東京女子プロレス~SUMMER SUN PRINCESS ’25~」(21日、大田区総合体育館=観衆1384人)

 プリンセス・オブ・プリンセス選手権試合が行われ、第15代王者の瑞希が21分35秒、キューティースペシャルで挑戦者・荒井優希を退け、3度目の防衛に成功した。

 美しき敗者の姿がそこにあった。人気アイドルグループのSKE48を今年3月に卒業、プロレス一本に絞った荒井優希はバックステージで「届かなかったですね。壁は高かった。勢いや運だけでは届かない、瑞希さんの積み重ねたものを感じました」と、時折笑顔を見せながら、潔く敗北を認めた。

 健闘も及ばなかった。荒井は序盤からビッグブーツ、ドロップキック、ミサイルキックを軸に攻勢。反撃をしのぎながら雪崩式フルネルソンバスター、サソリ固めと王者に迫った。しかし、必殺のFinallyが決まらず、徐々に劣勢に立った。

 荒井は最後の力を振り絞り、エルボーの打ち合いからカウンターのビッグブーツで挑んだが、最後は放り投げるようなキューティースペシャル(後方反り投げ)から、ミサイルフットスタンプ、キューティースペシャルと畳みかけられ3カウントを許した。

 瑞希からは健闘をたたえられ、握手を求められたが応じなかった。「動けるでしょって感じで見てきたけど『動けない!立てない』って言ったら迎えに来てくれたので、チャンピオンは優しかった」と、苦笑まじりに語った。

 至宝戴冠を逃した荒井は「これが人生で1回きりのチャンスじゃないので、いつかはベルトを巻けるような存在になりたい。その時は堂々と自分を一番認められる状態で挑戦したい。瑞希さんがチャンピオンの時に挑戦できて嬉しかったです」と、すがすがしい表情をみせた。

 程なくシングルトーナメント・東京プリンセスカップが開幕する東京女子。荒井の戦いは続いていく。

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