井上尚弥 「最大の難敵」アフマダリエフとV5戦へ 超異例!帝拳ジムへプロ初の出稽古プラン&スパーに旧敵タパレス招へいも
ボクシングの4団体統一世界スーパーバンタム級王者・井上尚弥(32)=大橋=が9月14日に愛知・IGアリーナでWBA同級暫定王者、ムロジョン・アフマダリエフ(30)=ウズベキスタン=と対戦することが10日、正式発表された。4団体統一王者として5度目の防衛戦となる。都内で会見を行った井上は「キャリア最大の強敵。今回は判定決着でもいい」と勝利に徹する考えを示した。同戦はトリプル世界戦のメインとして行われる。
尚弥はいつになく警戒心を強めた。満を持してアフマダリエフ戦が正式発表され「(23年7月の)フルトン戦、(昨年5月の)ネリ戦くらい警戒心、集中力、全てが高い」と臨戦態勢。過去最大の強敵とさえ表現した一戦に「今回は判定決着でもいい。12回しっかり戦って勝ち星を取る。そういうときの井上尚弥が一番強いと思っているので。KO宣言をしない時こそ劇的なKOシーンが見られる」と、勝ちに徹する姿勢を強調した。
5月のラスベガスでの教訓もある。WBA1位ラモン・カルデナス(米国)戦で2回に左カウンターを食らいダウンを喫するまさかの場面があったが、アフマダリエフは陣営もトレーナーも同じで、フィジカルも技術も備えた厄介な相手となる。「カルデナス戦でパンチもらってましたっけ?」とおどけつつ、「(ダウンは)過信、油断から生まれるシーン。相手が対策を立ててきても9月14日の井上尚弥は少し違うぞと。本気を出す」と気を引き締めた。
強力援軍も味方につけた。今回、WBA世界同級4位の村田昴(28)、WBC世界フェザー級7位の中野幹士(29)、WBA同級4位の藤田健児(31)、WBA世界バンタム級4位の増田陸(27)と、帝拳ジム所属の世界ランカー4人がスパーリング相手を務める。大橋ジムの大橋秀行会長は「海外選手より帝拳の選手の方が全然強い。(井上を)食ってやろうという気持ちで来るし、最高の練習になる」とうなずいた。
また、23年12月に4団体王座統一戦を戦った前WBA&IBF同級統一王者のマーロン・タパレス(フィリピン)もスパーリングパートナーとして招へい。同年4月には当時2団体統一王者だったアフマダリエフを撃破して王座を奪っている宿敵から難敵攻略のヒントを得る。
さらに、尚弥の要望で帝拳ジムに出稽古に行くことも明らかになった。アマチュア時代以来、約13年ぶりでプロ初という超異例プランに、尚弥は「(目的は)やっぱ緊張感。他のジムに行って違う雰囲気、環境、(普段と)違う人が見ている中でスパーリングするのは、一段と自分の緊張感や集中力を上げてくれる。しっかりと仕上げたい」と明かした。超本気モードのモンスターが初上陸の名古屋で圧巻のファイトを見せる。




