来年1・4引退の棚橋弘至 万感の涙「まだ早いよ」第1試合で藤波辰爾と師弟対決、メインで丸藤正道と共闘「25年やってきた証明」
「プロレス・新日本」(29日、愛知県体育館)
自身のプロデュース大会で、来年1月4日で引退する棚橋弘至(48)がダブルヘッダーで躍動した。第1試合は6人タッグマッチで藤波辰爾(71)との師弟対決が実現し、最後は藤波の長男LEONA(31)をテキサスクローバーホールドで撃破。さらに、メインイベントのタッグマッチにも出場すると、ノアの丸藤正道(45)と組み、清宮海斗(28)&大岩陵平(26)と対戦。猛攻を受けながらも、大岩へのハイフライフロー2連発による勝利で締めくくった。
トップロープを飛び越えてコーナーに上がるムーブで繰り出した必殺技で劇的な勝利を挙げた逸材は、同時代を戦ってきた丸藤に対し「同じ時代をつくってきた仲間として、お先に引退します」とあいさつ。「棚橋引退まで残り200日を切ってしまいました。1日1日を大事に、来年1月4日東京ドームまで全力で走り抜けるので、見届けてください。名古屋の皆さ~ん、愛してま~す!」と締めくくった。
取り壊しが決まっている同会場での最後のプロレス興行を成功させた棚橋は、バックステージでも万感の涙を流しながら「(引退まで泣くのは)まだ早いよ、まだ6月だから。すいません。僕のせいです」と込み上げる気持ちを抑えた。ノアの丸藤への思いについては「U30の頃、方舟の天才(丸藤)の素晴らしい動き、運動能力に比べて、自分は全然届いてないっていう想いがあった。団体を越えて、選手として意識していた。そして(最終盤に)組めるというのが、長くプロレスを続けてきたご褒美かなと思う」とうなずいた。
第1試合では、憧れの存在だった藤波との師弟対決も実現した。「プロレスラーになって、藤波選手のように絶対にヘビー級でやっていくんだっていうきっかけをくれた選手なので。今日が最後かもしれないし、藤波さんの張り手は効いた。ありがとうございました」と頭を下げた。対戦した藤波は「引退撤回!まだまだできる」とエールを送っていたが、棚橋は「気持ちはうれしいです。でも僕は覚悟を決めてますんで」とブレなかった。
引退まで残り半年のタイミングでの記念碑的な大会を終え、「一人のレスラーが25年という月日を掛けていろいろな選手と戦って、敵対したり、怒りや憎しみもあったけど、それを超えて今日の大会をできたことが僕がプロレスラーとしてやってきた証明だと思います」と、さらに感極まって涙。また、この日参戦したドラゴン・キッドの呼びかけにより、ドラゴンゲートの7月13日の神戸ワールド記念ホール大会への参戦も決まった。




