衝撃失神KO負けの佐々木尽、救急搬送 試合前1カ月半の記憶飛ぶ CT検査で出血なし、所属ジム会長が報告「後頭部強くぶつけ記憶失ってる」
「ボクシング・WBO世界ウエルター級タイトルマッチ」(19日、大田区総合体育館)
同級2位の佐々木尽(23)=八王子中屋=が王者ブライアン・ノーマン(24)=米国=に挑み、5回46秒KO負けを喫した。日本勢としてウエルター級の世界タイトル初戴冠はならなかった。強烈なカウンターの左フックを浴びて真後ろに倒れ、後頭部を打ち付けて大の字失神。担架で運ばれ、意識はあり会話もできるというものの、念のため救急搬送された。病院に付き添っている所属ジムの中屋一生会長によれば、佐々木は試合前の1カ月半の記憶が飛び、「このタイトルマッチが決まったことも覚えていない」という。
佐々木は序盤から果敢に強打を振り抜いたが、開始1分でカウンターの左を浴びてダウンを喫すると、再び左を浴びて2度目のダウンを喫した。2回は右のショートを浴びてぐらつき、佐々木が反撃。ノーマンをコーナーに追い詰める場面もあった。3回は猛攻を浴びてフラフラになりながらも、自分を鼓舞するように「こい、こい」と声を出して挑発しながら反撃。しかし、5回に強烈なカウンターの左フックを浴びて、大の字で倒れ、失神KO負けとなった。会場からは「ありがとう!」、「素晴らしかった!」と労いの声が贈られた。
ウエルター級では国内36年ぶりの世界戦開催で、佐々木は日本勢史上5人目の挑戦となり、戴冠すれば初の偉業だったが、夢破れた。
試合後は救急搬送されたため、試合後の会見はキャンセルとなった。所属ジムの中屋一生会長はコメントを発表し、「佐々木尽は試合後に病院に運ばれ、CTなどを受けました。出血などの怪我などはありませんでした。しかし、後頭部を強くぶつけた為に、現在、記憶を失っています。身体的な怪我などは見受けられませんでしたが、大事を見て、また明日、病院に検査を受けに行きます」と状況を報告した。




