「ボクシング・東洋太平洋ウエルター級王座決定戦」（１９日、大田区総合体育館）

　同級７位の田中空（２４）＝大橋＝が、同３位の小畑武尊（２６）＝ダッシュ東保＝を４回２分１秒、ＴＫＯで下し、プロ転向４戦目で初タイトルを手にした。“横浜のタイソン”の異名通りの強打で圧倒。大橋ジムから４団体統一世界スーパーバンタム級王者の井上尚弥に続く、新たなモンスター候補が誕生した。

　これで４戦４勝４ＫＯ。上背はなくとも、強打で相手をなぎ倒す。元ヘビー級王者マイク・タイソンに憧れ“横浜のタイソン”の異名はダテではない。

　田中は自身と逆のサウスポーでリーチに勝る相手に、開始早々からおかまいなしに前進。これに呼応してロープ、コーナーを背に応戦した小畑と激しく打ち合った。

　ミドルレンジの攻防、ジャブはほぼなし。互いに左右のフック、ショートアッパー、ボディーフックを打ち合った。最後は４分途中、パンチを返しながらも顔が腫れた小畑を、レフェリーが抱きかかえるように止めた。ＴＫＯが決まった瞬間だった。

　終始近距離で打ち合う極真空手のような試合を制した田中は「自分のスタイルは前に行って打ち合う。小畑選手の気持ちが強くて、打ち合いができて、おかげでいい試合ができました。対戦を受けていただき、ありがとうございました。打ち合いを楽しみました」と充実を口にした。

　セミを圧巻の内容で締めた田中。メインでは同級の佐々木尽（八王子中屋）が王者ブライアン・ノーマンＪｒ．に挑む、ＷＢＯ世界ウェルター級選手権が控える。「生で見られるのはすごい経験になる。感謝です」と喜んだ。そして「自分はもっと強くなって上を目指す。これからも応援よろしくお願いします」とリング場で言い切った。