「ボクシングに来た甲斐ある」那須川天心が充実感 宿命の武居由樹戦は急がず「時が来たら必ずやる相手」衝撃127秒TKOには刺激も
ボクシングWBC世界バンタム級1位の那須川天心(26)=帝拳=が30日、WBA世界同級6位ビクトル・サンティリャン(29)=ドミニカ共和国=とのノンタイトル10回戦(6月8日、有明コロシアム)に向けて、都内で公開練習を行った。2月の前戦は前世界王者ジェーソン・モロニー(オーストラリア)を撃破し、今回は世界前哨戦と位置づける。「(サンティリャンは)生半可な気持ちで勝てる相手でもないし、強い選手。心、体の全てを整えてきた自負はある。あとは僕の試合を見て周りの人がどう思うか。いろんな声を聞きたい」と意気込みを語った。
近い将来の対戦の機運が高まっている元K-1王者でWBO世界バンタム級王者の武居由樹(28)=大橋=は、28日の防衛戦で同級8位ユッタポン・トンデイ(タイ)にわずか127秒でTKO勝ちし、衝撃を与えた。天心は「試合は見た。バチッと決めてくれた。王者で居続けてくれるのはありがたいこと。非常に強くなっている」と率直な感想を語った。
また、武居はかねて対戦を希望してきた天心の名前を今回は積極的には出さなかったが、「それに関しても(報道で)見た。言ったり言わなかったり、駆け引きしているなと(笑)。リング外でもジャブを突かれていると感じる」と笑いつつ、「僕は(武居戦を)急いでいるわけではない。1個1個着実に(ステップを踏んで)、次は(世界)前哨戦なので、長い目で見てもらいたい。しっかり僕が勝っていけば必ずやる相手だと思うので、時が来たら必ずやるだろうと思っている」と語った。
この日は2ラウンドの白熱のスパーリングを含め、シャドー、ミット打ちと計10ラウンドに及ぶ本気度の高い練習を報道陣に惜しみなく披露した。みっちり汗を流した後は約20分間、追加で囲み取材に応じるいつも通りのサービス精神を見せたが、「やっぱ客観的に見てもボクシングは盛り上がってますね。なんか、改めて(転向して)来た甲斐があったなと。着々と、ちゃんと正しいことを正しい順序で、みんなが自分の場所でやっているので(それぞれが)職人気質があるというか、そこが今再評価されていると思う」と充実感をかみしめていた。




