武居由樹 衝撃127秒TKOでV2 全勝対決ユッタポン1回に3度ダウンで圧倒 「もう一本ベルトがほしい」王座統一戦も意欲

 「ボクシング・WBO世界バンタム級タイトルマッチ」(28日、横浜BUNTAI)

 WBO世界バンタム級王者の武居由樹(28)=大橋=は同級7位のユッタポン・トンデイ(タイ)に1回2分7秒TKO勝ちし、2度目の防衛に成功した。3度のダウンを奪って衝撃の127秒KO劇を飾り、王座統一戦にも意欲を見せた。IBF世界スーパーフェザー級王座決定戦は、同級3位の力石政法(30)=大橋=が同級1位のエドアルド・ヌニェス(メキシコ)に0-3の判定で敗れ、王座獲得に失敗。IBF世界フライ級王者の兄・矢吹正道(32)=LUSH緑=との兄弟同時世界王者の目標はかなわなかった。

 殺気立つ武居の拳がうなった。初回、鋭く踏み込んでの強烈な左フックでいきなりダウンを奪うと、立ち上がる相手に左、さらに左で3度キャンバスにはわせた後、猛攻を仕掛けたところでストップ。わずか127秒の衝撃的なTKO劇に場内はどよめきに包まれた。

 「今回は絶対KOで勝ちたい気持ちが強かった。1回から倒すつもりで飛ばした。メインで1回KOで勝ててうれしい」

 元K-1王者の看板を引っ提げ転向してから4年。世界戦ではタイトルを手にした昨年5月のジェーソン・モロニー(オーストラリア)戦、9月の比嘉大吾(志成)との初防衛戦といずれも判定決着だった。大橋秀行会長からは「最近は守りに入っている。野性味が足りない」とハッパをかけられ、眠っていた闘争本能を呼び覚ました。

 今までは井上尚弥(大橋)がメインに鎮座する中でセミを飾ってきたが、今回は独り立ち。リングサイドで見守る尚弥が乗り移ったかのような会心のKO劇を披露し「少しは野性味を取り戻せたかな」と胸を張った。

 次戦は指名試合となる見込みだが、「もう一本ベルトがほしい」と統一戦にも意欲を示した。バンタム級では6月8日にWBC王者・中谷潤人(M・T)とIBF王者・西田凌佑(六島)の統一戦が控える中、強烈に存在感を誇示したWBO王者は「最近になって1本じゃ物足りなくなってきた」と舌なめずりした。

 かねて対戦を熱望している那須川天心(帝拳)の名前は今回出さなかった。「彼はまだ王者じゃないので、いいかなと。まあ応援してます」。互いにベルトを持って対峙(たいじ)する青写真を描きながら、一段高い場所からエールを送った。

 ◆武居 由樹(たけい・よしき)1996年7月12日、東京都出身。東京・足立東高時代はボクシング部。2017年に格闘技K-1でスーパーバンタム級王者となった。ボクシングに転向し、21年3月プロデビュー。22年8月に東洋太平洋スーパーバンタム級王座獲得。24年5月にWBOバンタム級王者となった。左ボクサーファイター。170センチ。

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