「プロレス・センダイガールズ」（２９日、後楽園ホール）

　“女子プロレス界の横綱”里村明衣子（４５）が引退試合を行った。タッグマッチで愛海（２０）と組み、若手時代からの宿敵アジャコング（５４）＆仙女の次世代エース橋本千紘（３２）と対戦。最後は里村が必殺技スコーピオライジング（シャイニング式踵落とし）でアジャを撃破したが、アジャからの提案でライバル同士で最後にタッグを組み、後輩たちと肌を合わせて５分間時間切れドローで大団円。また、引退セレモニーではガイア・ジャパン時代の師匠である長与千種（６０）やライオネス飛鳥（６１）の「クラッシュギャルズ」がそろい会場がどよめきに包まれるなど、レジェンドたちに見送られる中、３０年間の現役生活に涙で別れを告げた。

　里村はリング上での挨拶で「私がデビューして３０年間、全く思いが変わらないのは『プロレスって素晴らしい』ってことでした。デビューした頃は先輩方の輝いた姿を見て、自分もスターになりたい、この業界を引っ張っていくんだと決めて頑張ってきました。うまくいかない時もありましたが、みんなが誇れる世界にしてやるってずっと思ってやってきました。自分自身、夢以上のものをいただきました。でも、叶わなかったこともあります。レスラーとして叶わなかったことは、次のステージに行った時に必ず実現してみせます。私はこれからもプロレス界に人生を捧げていきます。今日からプロレスラーではなくなりますが、（次の仙女を）引っ張っていくのは実は後輩じゃなく、自分自身がもっと頑張らなきゃいけないと思っているので、明日からまたプロレスに人生をかける里村でいますので、これからもよろしくお願いします」と想いを込めた。

　引退の１０カウントを万感の表情で聞き、紙テープで真っ赤に染まったリング上から別れを告げた。バックステージでは今後について「私は裏方に回る気はあまりない。ちゃんとリーダーとしてけん引していきます。やっぱ今日、クラッシュギャルズのお二人が並んだときに（会場は）すごい歓声だったじゃないですか。やっぱ、あの時代は本当にすごいですよ。（もう一度）女子プロブームを起こすためにスパースターを育てる。これが目標です」と第二の人生に向けて夢を語った。

　◆主な出場選手＆引退セレモニー出席者　長与千種、ライオネス飛鳥、北斗晶、アジャコング、ブル中野、ジャガー横田、井上貴子、井上京子、高橋奈七永、ＫＡＯＲＵ、尾崎魔弓、永島千佳世、加藤園子、神取忍、Ｓａｒｅｅｅ、彩羽匠、ＤＡＳＨ・チサコ、橋本千紘、小橋建太、鈴木みのる、棚橋弘至（ＶＴＲ）、中邑真輔（ＶＴＲ）、イヨ・スカイ（ＶＴＲ）、カイリ・セイン（ＶＴＲ）、ＡＳＵＫＡ（ＶＴＲ）、デビル雅美（ＶＴＲ）

　◆里村明衣子（さとむら・めいこ）１９７９年１１月１７日、新潟県出身。１９９４年に長与千種が旗揚げしたガイア・ジャパンの１期生として入門し、９５年４月に加藤園子戦でデビュー。２００５年に同団体が解散後、０６年に旗揚げしたセンダイガールズでエースとして活躍。得意技はデスバレーボム、スコーピオライジングなど。１５７センチ、６８キロ。