新間寿さん死去 昭和プロレスをアツくした“過激な仕掛け人” 猪木VSアリ戦&初代タイガーマスクなどプロデュース

 元新日本プロレス専務取締役兼営業本部長で、ストロングスタイルプロレスの会長を務める新間寿さんが21日に死去したことが分かった。90歳。関係者によれば、新間さんは3週間ほど入院した後、先週末に退院していたが、この日夕方に自宅で亡くなったという。アントニオ猪木VSモハメド・アリ戦など数々の名勝負をプロデュースし、初代タイガーマスクを世に送り出すなど“過激な仕掛け人”との異名も取った。

 昭和プロレスの生き字引がまた一人、この世を去った。新間さんはアントニオ猪木、豊登とともに1966年の東京プロレス設立に関わった後、、72年に旗揚げされた新日本に入社。専務取締役兼営業本部長として辣腕(らつわん)を振るった。中でも、76年に当時プロボクシング世界ヘビー級王者だったモハメド・アリと猪木による「世紀の一戦」と呼ばれる異種格闘技戦を実現させるなど、裏方として多くの名勝負をプロデュースしたことから“過激な仕掛け人”と呼ばれた。

 また、初代タイガーマスク(佐山聡)を世に送り出したことでも知られ、一世を風靡(ふうび)した。83年に新日本を退社後は、格闘技色の強い第1次UWFの設立に関わった。また、新日本独自認定のチャンピオンベルトにつながるIWGPを作り上げるなど、大きな功績を残した。

 さらに、89年に猪木が政界に進出する際もサポートし、スポーツ平和党の幹事長を務めた。2019年には、猪木VSアリ戦を実現させた功績などがたたえられ、WWEのレガシー部門で殿堂入りを果たした。

 ジャパン女子プロレス、ユニバーサル・プロレスリングなどにも携わり、近年は佐山が代表を務めるストロングスタイルプロレスで会長を務めていた。同団体では昨年9月26日の後楽園ホールに来場したのが最後となり、10月にはプロレス界からの引退を口にしていた。

 日本プロレス史の数々の名場面を生み出してきた重鎮が、帰らぬ人となった。

 ◇新間 寿(しんま・ひさし)1935年、東京都生まれ。青年時代にプロレスラーを志し、日本橋人形町にあった力道山道場(日本プロレスセンター)に練習生として通う。中大卒業後、化粧品メーカー勤務を経て東京プロレスでプロレス界入り。その後、猪木が72年に旗揚げした新日本プロレスに参加し営業本部長として支えた。「過激な仕掛け人」の異名を取り、76年「猪木VSアリ」など異種格闘技戦や、初代タイガーマスクの登場を仕掛けたが、83年のクーデターで解任。84年に第1次UWFを旗揚げするも短期間で退陣。現在はストロングスタイルプロレス会長。

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