48歳・棚橋 IWGP戴冠ならず 充実期の王者に玉砕し無念の涙 「後藤~!頼んだぞ」新日本の未来託し引退ロードへ再起

 初防衛を果たした後藤洋央紀
 棚橋弘至(左)に強烈なエルボーを叩き込む後藤洋央紀
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 「プロレス・新日本」(6日、大田区総合体育館)

 旗揚げ記念日大会のメインでIWGP世界ヘビー級選手権が行われた。来年1月4日での引退を表明している棚橋弘至(48)が、王者の後藤洋央紀(45)の初防衛戦の相手として挑戦。得意技のスリングブレイド、ハイフライフローなどで攻め立てたが、20分16秒、GTRからの片エビ固めで屈した。21年3月の同王座新設以降3度目の挑戦となったが、社長として戴冠はならず、後藤に団体の未来を託した。

 48歳の肉体にムチ打って挑んだ棚橋だったが、再び目指した頂点には届かなかった。デビューから26年。この日53周年を迎えた団体の歴史の半分をエースとして突っ走ってきた逸材は、来年1月の引退前最後のチャンスと意気込んで団体最高峰のベルトに挑戦したが、充実期を迎えている王者の前に玉砕した。

 序盤のグラウンドでの攻防を経て、相手に飛びついてのスリングブレイドを連発。ドラゴンスクリュー、テキサスクローバーホールドといった足殺しでペースをつかみ、相手の得意技である牛殺しも飛び出した。勝機を得ると、コーナー最上段からこん身のハイフライフローも敢行したが、2発目に自爆を誘われ形勢逆転。最後はGTRに沈んだ。ただ、20分を超える激闘にファンから大きな拍手が注がれ、棚橋は「後藤~!!頼んだぞ。新日本をもっともっと高みに導いてくれ」と未来を託した。

 バックステージでは激闘のダメージで大の字になりながら「棚橋弘至というレスラーは残り10カ月を切りました。IWGP世界のベルト、届かなかったね…。あと10年、5年早ければって」と、目に涙があふれた。前身のIWGPヘビー級王座で歴代最多8度の戴冠記録を持つものの、現タイトルにはついに届かなかった。「1番っていいよな。1番になりてえよな。だから、プロレスって面白いんだ」。そう実感を込めると、引退ロードに向けて再び立ち上がった。

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