那須川天心 元世界王者モロニ-撃破 いざ“飛び級”で世界へ リングに上がったWBO王者・武居に「いつか戦いましょう」

 「ボクシング・10回戦」(24日、有明アリーナ)

 53・9キロ契約10回戦が行われ、WBOアジアパシフィック・バンタム級王者の那須川天心(26)=帝拳=が、前WBO世界同級王者のジェーソン・モロニー(34)=オーストラリア=に3-0で判定勝ち。デビューからの戦績を6戦全勝とした。

 世界挑戦テストを“飛び級”で合格した天心が、リング上で喜びを爆発させた。ボクシング6戦目ながら対峙(たいじ)した前世界王者との激しい打ち合いを制し、3-0で判定勝ちした。「モロニー選手は予想どおりめちゃくちゃ強くて、初めて(パンチを)効かされた。(世界トップ級は)これかと。(キャリアで)初めて打ち合いをして、初めて一人前、初めて男になったかな」。鼻血を拭い、右目の下を青く腫らしながら、晴れ晴れとかみしめた。

 初回から強打をもらうシーンもあり、6回には右ストレートをまともに被弾。「一瞬パーンと抜けた」。足元がぐらついたものの、何とか持ちこたえた。しかし、7回には鋭い右アッパーをヒットさせ、さらに連打で追い込んだ。

 8回にはトリッキーな動きやフェイントでモロニーをいら立たせるなど、自身のフィールドに誘い込んだ。自身最長の10回まで攻め手を緩めず、試金石の大一番を制した。「こんなに楽しくなったことはない」と実感を込めた。

 キック42戦無敗を誇る“神童”が、プロボクシングに転向して2年。「革命ののろしを上げる」と宣言した今年初戦、対戦相手として5人の候補が挙げられた中、最も難易度の高いビッグネームとの戦いを選んだ。ボクシング仕様で脚は細くなり、スタミナも強化。元世界王者の粟生隆寛トレーナーは、この大一番に向けてポジショニングや重心、圧力のかけ方など、細かい要望を出した。

 「本人も理解が難しかったと思うが、よくなった。(当初は)解釈の違いもあったが、よく話をして理解してくれた」。キック時代の貯金だけではなく、“ボクサー那須川天心”として殻を破ったことを証明する殊勲星となった。

 余韻の残るリング上では、WBO世界同級王者の武居由樹(大橋)と並び立った。「今、僕は挑戦する立場。必ず僕もチャンピオンになるので、いつかどこかで戦いましょう。ボクシングで」と天心。世界への道を開いた異端のボクサーは、近い将来の頂上決戦を誓った。

 ◆那須川天心(なすかわ・てんしん)1998年8月18日、千葉県松戸市出身。キックボクシング42戦全勝、MMA4戦全勝。18年大みそかにエキシビションでボクシング元世界5階級制覇王者フロイド・メイウェザー(米国)と対戦し、KO負け(非公式)。22年6月、東京ドームで開催された「THE MATCH」で武尊との頂上対決に勝利した。23年4月にプロボクシングデビューし、6勝(2KO)。左ボクサーファイター。身長165センチ。リーチ176センチ。

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