中谷潤人30連勝 強すぎ3回KO 「ビッグバン見られましたか?」衝撃スピード決着V3防衛 次戦西田と統一戦決定も?

 3回、最初のダウンをクエジャル(手前)から奪った中谷潤人(撮影・佐々木彰尚)
 3回、クエジャル(右)をKOする中谷潤人(撮影・金田祐二)
 中谷潤人(右)を祝福する西田凌佑
3枚

 「ボクシング・WBC世界バンタム級タイトルマッチ」(24日、有明アリーナ)

 WBC世界バンタム級王者の中谷潤人(27)=M・T=が、同級6位のダビド・クエジャル(23)=メキシコ=を3回終了間際にKOで下し、3度目の防衛を果たした。戦績は30戦全勝(23KO)。WBA世界バンタム級王者の堤聖也(29)=角海老宝石=は、同級4位の比嘉大吾(29)=志成=と引き分け、初防衛に成功した。判定ではジャッジが3者とも114-114とした。

 28戦全勝を誇っていた23歳のメキシカンを圧倒した。身長172センチの中谷にとって、過去最大の174センチの相手となったが、早々と間合いを見極めて3回3分4秒でのKO決着。29勝無敗で迎えた節目のプロ30戦目で確かな強さを見せつけ、危なげなく3度目の防衛を果たした。

 勝利が決まった瞬間、白いグローブをたたいて喜びを表した。衝撃のスピード決着に「(ダウンの瞬間は)あまり覚えてないけど。みなさんビッグバン見られましたか?」と余裕の表情だった。

 1回で慎重に距離を取りながら間合いを確かめると、徐々に新ニックネーム“ビッグバン”の名に恥じない爆発的な攻撃力を披露。3回には左、右、左のコンビネーションで1度目のダウン。立ち上がられるも、すかさず左フックを顔面に打ち込み勝負を決めた。

 爆発に向けてエネルギーを濃縮してきた。1カ月間の米ロサンゼルス合宿では、16ラウンドや、10分×4ラウンドのスパーリングなど、過酷なメニューを実行。「スタミナもそうだし、その日に(メニューを)聞かされて対応し、メンタル的にも強化できた」と、心身ともに充実した状態で臨み、実を結んだ。

 日本選手王者が活況のバンタム級でも頭一つ抜けた存在感を放ち、今後は統一戦を目指す。2度目の防衛を果たした昨年10月の防衛戦後には、今後について「『Who´s next?』(次は誰だ?)って感じ」と不敵に笑っていた。

 この日の試合後は、リングに上がったIBF同級王者・西田凌佑(六島)に視線を向け「今回は西田選手でいきましょう」と宣戦布告。西田も「ずっと中谷選手とやりたいと思っていた。ぜひお願いします」と応えると、会場は興奮の声に包まれた。ビッグバンの射程圏は着実に広がっている。

 ◆中谷 潤人(なかたに・じゅんと)1998年1月2日、三重県東員町出身。2015年4月にプロデビュー。20年にWBO世界フライ級王座、23年にWBO世界スーパーフライ級王座を獲得した。同王座を獲得したモロニー(オーストラリア)戦は、米国で最も権威ある専門誌ザ・リングの年間最優秀KO賞に選出された。24年にWBC世界バンタム級王座を獲得。リング誌が選定する全階級を通じた最強ランキング「パウンド・フォー・パウンド」でトップ10入りした。同10月には同級2度目の防衛を達成。身長172センチ、リーチ170センチ。左ボクサーファイター。

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