元Kー1世界王者・武居由樹に聞いた ボクサー那須川天心の凄み 同じ転向組で対戦時期は?

 サンドバッグにパンチを打ち込む武居由樹(撮影・佐藤厚)
 かめはめ波ポーズを決める那須川天心
2枚

 元Kー1世界王者でプロボクシングに転向した武居由樹(26)=大橋=がデイリースポーツのインタビューに応じ、同じくキックボクシングから転向した那須川天心(24)=帝拳=との将来的な対戦へ意欲を示し、エールを送った。

  ◇  ◇

 -ボクシングに転向してから6戦全勝(6KO)と圧倒的な強さを誇っている。

 「6試合して、最初は3試合連続1ラウンドKO勝ちで、ボクシングファンの方々にもインパクトを与えられた。5戦目で東洋太平洋に挑戦させていただいて、ベルトを取ることができたし、6戦目では長いラウンド(11回)を経験できた。結果的にすごいいい経験をしているし、順調にこれていると思います」

 -ボクシングへ転向した理由は。

 「足のけがとも言ってますけど、気持ちの部分でモチベーションで挑戦したいという気持ちが強かった。それがきっかけです。高校の時にあまりいい結果を残すことができなかったので、リベンジしたいという気持ちもありました。それと、1回目の尚弥さんとドネアの試合を見て格好いいなと。それで、ボクシングをやりたいなと思いました」

 -競技の違いを感じる。

 「違います。本当にやればやるほど、別競技だなと思ってきました」

 -大変なところに入って来たという実感がこもっているが。

 「もちろん、簡単に世界チャンピオンになれるような世界ではなく、ボクシングも競技人口が多いですし、世界が広いので。世界チャンピオンはみんなすごい選手ばかりと思うので」

 -勝ち続けているが、ボクシングの難しさは感じていると。

 「はい。重心や頭の位置をどうするかとか。K-1は膝蹴りがあるので、頭を相手より低くすることはあまりしてはいけないんですけど、ボクシングは必要になってくる。そういうところは最初は慣れなかった。あと、テンポですね。Kー1は3ラウンド。ボクシングは12ラウンド。Kー1も頭を使いますけど、また違うスタミナ配分とかある」

 -K-1の時は1回から思い切りいけた。

 「1回の最初からバーっといくイメージですが、ボクシングはその後も考えないといけない。大変というか、考えながらなので」

 -ディフェンス面での克服方法は。

 「考えながらやっているのと、八重樫トレーナーに相談したり、スパーリングで試してみたりとか、いろいろあります」

 -ここまでで、技術的に苦労している点は。

 「苦労ですか…。もう、全部です(笑)。テンポもそうですし、スピードもです」

 -キックボクシングは素足だった。ボクシングシューズを履いての戸惑いはあった?

 「そうですね。最初のころは、はだしの方が靴の重さを感じて重いなと感じました。はだしと靴を履いてやるのとは全然違います。この前、キックのジムに合宿に行き、ジムワークをやらせてもらったんですけど、その時はだしでやらせてもらって、やっぱり滑ると感じました」

 -対戦経験のある那須川天心がボクシングに転向した。

 「4回ぐらいやってますけど、自分は1回も勝ってなくて、3敗1分けだと」

 -プロテストは見ていた?

 「見てはいないですが、今度4月のデビュー戦で初めて、那須川選手を見るので本当に楽しみです」

 -ボクシングの舞台でも対戦してみたい。

 「そうですね。お互い上の舞台に立った時に戦いたい。今すぐやっても、もったいないというか、もっとお互いがボクシングの技術だったり、ボクシングに慣れたときにやってみたいなとは思います。もちろんタイミングとか、階級とかありますけど。自分も那須川選手のようにもっともっと、武居が見たいと言われるような試合をやっていかないといけない。お互いに経験を積んで、いつか拳を交えたらと思います」

 -キックボクシング無敗の那須川選手のすごいところは。

 「本当に世界一の技術とスピードを持っていますよね。すごい選手だったなと思っています。ボクシングでも、そのスピードと技術でも生かせると思います。僕もそうですけど、那須川選手もやってきたこととかそういうのが自信になってきて、どんどん上にいけるのかなと思います」

 -7月25日には井上尚対フルトン戦のアンダーカードでバルドナルドと対戦。世界戦へ向けて大きな一戦。

 「気持ちの強い選手。打たれ強いですし、パンチも強い。大振りですけど、重たそうだなという感じです。54キロでやるので、どれだけ減量してコンディションをいい状態にもっていけるか。挑戦ですね」。

 -世界チャンピオンになるために、今はどこを重点的に磨いている。

 「もっとボクシングの技術を磨いていかないと。いろんなボクシングでの経験をしたい。この前の12月の試合のように長いラウンドを経験することもそうですけど、もっとボクシングらしさや、ボクシングのやりとり、探り合いみたいなのを勉強をしていって、もっと根本的なボクシング技術を上げて、『世界戦できます』って言えるぐらいのアピールをしていきたいですね」

 ◇武居 由樹(たけい・よしき)1996年7月12日、東京都足立区出身。身長170センチのサウスポー。10歳でキックボクシングを始め、足立東高ではボクシング部の主将を務めた。17年4月にKー1ワールドGPスーパーバンタム級王座を奪取。21年1月にプロボクシングB級(6回戦)を受験し合格。同年3月11日のデビュー戦で高井一憲(中日)に1回TKO勝ち。22年8月26日のペテ・アポリナル(フィリピン)に5回TKO勝ちし、東洋太平洋スーパーバンタム級王者に。同年12月に初防衛に成功。B型。6戦全勝(6KO)。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

ファイト最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(ファイト)

    写真

    話題の写真ランキング

    リアルタイムランキング

    注目トピックス