京口紘人「記憶ない」“死地”から驚異の反撃も及ばず 17戦目で初敗北

 「ボクシング・WBA・WBC世界ライトフライ級王座統一戦」(1日、さいたまスーパーアリーナ)

 王座統一戦はWBAスーパー王者の京口紘人(28)=ワタナベ=がWBC王者の寺地拳四朗(30)=BMB=に7回TKOで敗れた。驚異的な精神力で持ちこたえていた京口だったが、限界だった。7回、右ストレートを直撃された京口は力が抜けたように後退。ロープに倒れかかったところでレフェリーが試合を止めた。雪辱に燃えた一戦で、17戦目にしてプロでは初の敗北を喫した。

 勝者を祝福し、四方に深々と頭を下げてリングを降りた。「ありがとうございました」と大きな声で会見に臨んだ元王者は「悔しいですけど、やりきったなという感じはあります」と完敗を認めた。

 プライドが激突した統一戦。特に強い思いで臨んだ。2学年上の拳四朗とはアマチュア時代に1勝3敗と負け越し。ともにライトフライ級の世界王者となってからは統一戦を熱望したが、コロナ禍や拳四朗の不祥事なども重なり、実現には時間がかかった。

 京口は英国興行大手マッチルーム社と契約。米国とメキシコで海外防衛にも成功し、夢も広がった。その中で統一戦が決まってからはリベンジに集中。9月のハワイ合宿では観光をすることもなく、練習に明け暮れた。登録者数20万人超のユーチューブチャンネルの更新も大幅に控えた。

 それでも拳四朗の牙城は崩せなかった。「(5回の)1度目のダウンからの前後の記憶がない。反撃は記憶にない」。激闘の後に残ったのは初黒星という記録。「簡単に次頑張りますとは言えなくて。現時点では次頑張りますとは言えない」。今後については明言を避けた。

 ◆京口紘人(きょうぐち・ひろと) 1993年11月27日、大阪府和泉市出身。大商大時代は主将で14年国体ライトフライ級優勝。アマ戦績は52勝(8KO)14敗。16年4月にプロデビュー。17年2月に東洋太平洋ミニマム級王座を獲得。同年7月にホセ・アルグメド(メキシコ)からIBF世界同級王座を奪取し、2度防衛後に返上。18年12月にヘッキー・ブドラー(南アフリカ)を破ってWBA世界ライトフライ級王座を獲得し、2階級制覇を達成。20年12月に英大手プロモーターのマッチルーム社と契約した。162センチ。右ボクサーファイター。

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