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前田稔輝 ボクシング転向後9戦9勝 日本拳法10冠“縦拳”“波動突き”で世界王者目指す

 “日拳の左”で世界を狙う前田稔輝(左)とトレーナーで父の忠孝さん
 日本拳法時代の前田稔輝(本人提供)
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 10冠を獲得した日本拳法からプロボクシング界に殴り込んだ前田稔輝(じんき、25)=グリーンツダ=が9戦9勝(4KO)と快進撃している。異色の転向後3年、強者をなぎ倒し、現在、日本フェザー級6位にランクする。極意はパンチより高速の「突き」。一撃必殺“日拳の左”で世界を狙い、ボクシング転向で話題の“神童”那須川天心(23)との対戦も熱望した。

 15年、極めた拳の道はリングでも通じる。前田は「独特の踏み込みなどはボクサーにはない動き。今までのキャリアは崩したくない」と、拳法家の誇りをにじませた。

 連勝街道を呼ぶ技が「縦拳」(親指が上)と呼ばれる突き。肘、拳を90度ひねって打つパンチに対し、日本拳法の突きは構えた位置から拳を返さず真っすぐ打ち抜く。「スッとノーモーションで出る」。パンチより速く相手を捉え、カウンターを何度も奪ってきた。

 さらに「波動突き」という奥義も一撃必殺。拳を開いた状態から指先を握り込み、「波を打つように拳を突き出す」と説明した。

 理想は元WBC世界バンタム級王者・山中慎介氏の“神の左”。「点でスパッと当てて切る。刀で切るような打ち方」。1点にパワーを集約し意識を断つ“日拳の左”を磨く。

 小1から打ち込んだ日本拳法は10冠に及ぶ。だが高校時、世界6階級王者パッキャオ(フィリピン)、世界5階級王者メイウェザー(米国)ら世界のリングにくぎ付けになった。大卒後、迷いなく異例の挑戦を決めた。

 次々に格上を打ち砕いてきた。新人王獲得時は亀田3兄弟のいとこで強打の亀田京之介(当時協栄)を撃破。2月の前戦はアマ3冠のエリート・木村蓮太朗(駿河男児)相手にダウンを奪い判定勝ち。激戦区のフェザー級でのし上がってきた。

 父でトレーナーの忠孝さん(47)は「ようやくボクシングにシフトできてきた」と成長を実感。親子鷹の視界は世界王者しかない。

 19日の「THE MATCH」で武尊を撃破した那須川に対し、「当て勘の良さ、ディフェンスも必ず(相手のパンチを)外す」とセンスに舌を巻く。階級も近く異色転向同士の対戦なら大歓迎。「いつでも誰とでもやる」と力を込めた。

 まずは25歳ホープの照準は日本王座を含めたベルト。「いつでもタイトル戦をできるように」と拳を研ぎ澄ます。

 ◆日本拳法(にっぽんけんぽう)故沢山宗海(むねおみ)宗家が1932年に創始。防具とグローブ着用をし、突き・蹴り・投げ・寝技とすべての攻撃を用いる実戦武道。試合は3本勝負で2本先取した方が勝ちとなる。日拳(にっけん)と略される。大学を中心に普及が進み格闘界にも人材を多数輩出。日本拳法出身のボクシング世界王者には渡辺二郎、尾川堅一がいる。

 ◆前田稔輝(まえだ・じんき)1996年9月25日、大阪府守口市出身。大商大堺高から大商大に進学。日本拳法は小3~6年、中2、3年で日本一。高校は3冠、大学2年で学生王者と計10冠。ボクシングに転向し2019年4月デビュー。同12月、亀田京之介に判定勝ちして新人王に輝いた。9戦9勝(4KO)。175センチ、左ボクサーファイター。家族は両親、姉、妹。趣味は食べ歩き。血液型A。あこがれは元世界5階級王者のドネア(フィリピン)。

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