完敗のドネアは呆然、涙「アリガトウ」と井上尚弥と抱擁も大ダメージで会見できず

 試合を終え、抱き合って健闘をたたえ合うドネアと井上尚弥(撮影・高石航平)
2回、ロープ際に追い詰めドネアを圧倒する井上尚弥(撮影・高石航平)
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 「ボクシング・WBA・WBC・IBF世界バンタム級王座統一戦」(7日、さいたまスーパーアリーナ)

 WBAスーパー・IBF世界バンタム級統一王者の井上尚弥(29)=大橋=が、WBC同級王者のノニト・ドネア(39)=フィリピン=と対戦。2回、1分24秒、TKO勝ちで日本人初の3団体統一を成し遂げた。

 衝撃的な試合だった。1回、井上がいきなり右クロスカウンターでダウンを奪い、主導権を握った。2回も攻勢を緩めず、最後は左フックで一気に試合を決めた。

 圧倒されたドネアは呆然。試合後、リング上では寄ってきた井上と抱擁し「アリガトウ、コングラッチレーション」と祝福した。退場の際には瞳に涙が浮かび、場内から大きな拍手が送られた。

 控室に戻ると、ダメージが大きいため会見ができず。陣営を通じて「彼はとても強く、勝ちに値する選手でした。おめでとうと伝えたい」とのコメントを発表した。病院にいくほどのダメージはないというが、右目上をカットし、テーピング措置をしたという。

 井上も宿敵に敬意を示した。「ドネアがいたからこそ輝けた。ドネアが返り咲いて、ふたりでリングに上がったことが感動を生んだ。感謝したい」とうなずいた。

 激闘の末に尚弥が判定勝ちした「ドラマ・イン・サイタマ」と呼ばれる18年11月の前回対戦から約2年7カ月ぶりの再戦。井上の圧倒的な強さが際立つ一戦となった。

 戦績は井上が23勝(20KO)、ドネアが42勝(28KO)7敗となった。

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