新王者・矢吹正道「この試合で死んでもいいと」トランクスに子供の名「遺言みたいに」

勝利の雄たけびを上げる矢吹正道=京都市体育館(撮影・高部洋祐)
寺地拳四朗(左)を破り、勝利の雄たけびを上げる矢吹正道=京都市体育館(撮影・高部洋祐)
関係者に支えられながらWBCのベルトを腰に巻く矢吹正道(中央)=京都市体育館(撮影・高部洋祐)
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 「ボクシング・WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ」(22日、京都市体育館)

 同級1位の矢吹正道(29)=緑=が10回2分59秒TKOで王者・寺地拳四朗(29)=BMB=を破り、世界初挑戦で王座を獲得した。拳四朗は9度目の防衛に失敗した。

 オーソドックススタイルの両者の対決は拳四朗が軽快なジャブを突くいつものスタイル。矢吹は時折飛び込みながら左右強打を繰り出し応戦した。4回終了時の公開採点は1人が38-38、2人は40-36のフルマークで矢吹を支持した。ジャブが評価されない採点が出たことで、5回以降、拳四朗が前に出る場面が増える。9回から壮絶な打撃戦となった試合は10回も両者ふらつきながら前に出る。終盤連打で王者を防戦一方にしたところでレフェリーが試合をストップした。

 死闘を制した矢吹は「本当にこの試合で死んでもいいと思った。トランクスに子どもの名前を入れて遺言みたいに」と勝利のリングで思いを口にした。不朽の名作「あしたのジョー」の主人公・矢吹丈からリングネームを取った男が一世一代の大勝負を制した。

 この試合は当初、今月10日に予定されていたが、8月25日に拳四朗が新型コロナウイルスのPCR検査で陽性と判定されたことで12日間の延期となった。陽性判定を受けてから今月3日まで自宅療養していた。

 通算戦績は矢吹が16戦13勝(12KO)3敗。拳四朗が19戦18勝(10KO)1敗。

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