ボクシング興行開催に危機感「無観客や自粛も考える段階」コロナ禍で高山復帰戦中止受け

 プロボクシングの元世界ミニマム級4団体制覇王者で、アマチュアで東京五輪を目指した高山勝成(37)=寝屋川石田=の4年ぶりのプロ復帰戦が試合当日の23日に中止になった。三田市総合文化センター・郷の音ホールでライトフライ級6回戦が行われる予定だったが、対戦相手で2度の世界挑戦経験があるWBC同級11位の小西伶弥(27)=サンライズ=が新型コロナウイルスに感染していることが明らかになったため。

 日本ボクシングコミッション(JBC)の安河内事務局長は、今回の中止について「小西選手は1週間前にもPCR検査を受けて陰性だったものが、昨日(の検査で)陽性になった」と説明。「(これまでも)検査体制を含めて協議しているが、興行を維持できるかという根本的な問題になっている」と悪化する現状を深刻に受けとめた。

 プロボクシング界では、JBCと日本プロボクシング協会が協力してコロナ禍に対応してきた。同事務局長は「無観客や興行自体の自粛など、あらゆる選択肢を考える段階に来ている」と話しており、11月26日の新型コロナ対策小委員会、12月1日の同連絡協議会で対策が話し合われる見込みだ。

 一方で、選手をあずかるジム側も苦しい立場にある。この日の試合は1200人収容の会場で入場を500人に制限し、リング上や観客席の消毒などを徹底するなど対策が講じられた。プロモーターの大成ジム・丸元大成会長は、今回の興行で収益は出ないとした上で、「選手は1年以上試合間隔があいているので、とにかく試合をさせてあげたい」と語った。

 ボクシング界では今月、大阪で予定されていたWBA世界ライトフライ級スーパー王者・京口紘人(26)=ワタナベ=の防衛戦前日に、本人とトレーナーの陽性が確認されたため中止になった。また、兵庫県内のジムでは10人以上のクラスターが発生している。安河内事務局長は「コンタクトスポーツという側面から感染リスクは高い。一段と厳しいハードルが必要だろう」と対策の強化を見据えていた。

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