「ボクシング・ＷＢＯ世界スーパーフライ級タイトルマッチ」（１２月３１日、大田区総合体育館）

　世界３階級制覇の実績を持つＷＢＯ世界スーパーフライ級１位の田中恒成（２５）＝畑中＝が１０日、オンラインで記者会見し「キャリア最大の勝負。このチャンスを必ずつかみたい」と決意をにじませた。

　田中は１２月３１日に東京・大田区総合体育館で、日本男子初の世界４階級制覇を達成したＷＢＯ世界スーパーフライ級王者の井岡一翔（３１）＝Ａｍｂｉｔｉｏｎ＝と対戦する。世界複数階級制覇経験者の日本人対決は初めて。戦績は井岡が２５勝（１４ＫＯ）２敗、田中は１５勝（９ＫＯ）無敗。

　王者井岡は９日の会見で「格、レベルの違いを見せたい」などと挑発的な言葉を発していた。田中は井岡について「ここ１０年くらい日本のボクシング界を引っ張ってきた選手」と敬意を示した上で「スピード、パワー、スタミナは負けていない。今は井岡選手がチャンピオンですし、４階級制覇もしているので格という面では上かもしれないが、勝てば自分がチャンピオンになるし、４階級制覇も達成する。そのへん（格）は同じ。直接戦ったらオレの方が強いと思う。ここで世代交代というか、文句のつけようのないＫＯで決着をつけたい」と応戦し、ＫＯを予告した。

　田中は１８年にワシル・ロマチェンコ（ウクライナ）と並ぶ世界最速タイ記録のプロ１２戦目で３階級制覇を達成した。昨年大みそかにＷＢＯ世界フライ級王者として３度目の防衛に成功し、４階級制覇を目指して今年１月３１日付で王座を返上。ＷＢＯスーパーフライ級１位となり、指名挑戦者として大一番に挑む。

　世界最速１６戦目での４階級制覇へ「勝って自分が日本のボクシング界を引っ張っていく。試合がなかった１年間の間に技術面はかなりレベルアップした。試合でみんなを驚かせることができる。大みそかという締めくくりにふさわしい試合にしたい」と決意をにじませた。

　◆田中恒成（たなか・こうせい）１９９５年６月１５日、岐阜県多治見市出身。幼少期は空手に親しみ、小学５年でボクシングを始めた。岐阜・中京高（現中京学院大中京高）で高校４冠に輝き、１３年１１月にプロデビュー。１５年５月にプロ５戦目でＷＢＯ世界ミニマム級王座、１６年１２月にＷＢＯ世界ライトフライ級王座を奪取し、井上尚弥（大橋）と並ぶ日本選手最速８戦目で２階級を制覇。１８年９月にＷＢＯ世界フライ級王座を獲得し、世界最速タイ１２戦目で３階級制覇を成し遂げた。身長１６４．２センチ。右ボクサーファイター。