「ボクシング・１０回戦」（２６日、後楽園ホール）

　デビュー１５連続ＫＯ勝利の日本記録を持つ元ＷＢＣ世界フライ級王者で同バンタム級８位の比嘉大吾（２５）＝Ａｍｂｉｔｉｏｎ＝が、日本バンタム級１３位の堤聖也（２４）＝角海老宝石＝と１－０の判定で引き分け、白井・具志堅スポーツジムから移籍後初戦を白星で飾れなかった。

　１８年４月の同王座３度目の防衛戦での体重超過による無期限資格停止処分が解除され、今年２月に再起して２戦目の比嘉。序盤は高校時代に２戦して２敗している堤の素早く鋭いジャブなどの手数にてこずったが、次第に距離感をつかみ始め、持ち前の重いパンチがヒットし始める。

　両者は偶然のバッティングで流血しながらも一進一退の攻防を展開。８回から打ち合いは激化したが、ともに最後まで決定打を放てないままゴング。１者が２点差（９６－９４）で比嘉、２者が同点（９５－９５）の引き分けが告げられると、親交のある両者は抱擁して健闘をたたえ合った。

　試合後は笑顔はなく「７、８ラウンドぐらいにセコンドから行けと言われて行けなかったのがダメ」と振り返った比嘉。２階級上げての再出発に「スピード、パワーは練習から問題なかったですが、今日の結果なら何とも言えない」と物足りなさを口にした。

　移籍先で師弟関係を復活させた野木丈司トレーナーは「比嘉の場合は相手を倒さなかったら負け。今まで以上に（相手を）見る時間が長かった。行けと言われて行けるようにするのが、すぐにやること」と厳しい評価。比嘉は「また一から世界を目指して頑張ろうと思いますが、今日の内容じゃ厳しい」と唇をかんだ。