ボクシング史に残る逆転劇から30年 WBCが「チャベスVSテーラー第1戦」特集
WBC(世界ボクシング評議会、本部=メキシコ市)が17日(日本時間18日)、公式サイトを更新。ちょうど30年前の1990年3月17日に開催されたフリオセサール・チャベス氏(57)とメルドリック・テーラー氏(53)によるWBC・IBF世界スーパーライト級王座統一戦の写真を掲載し、「チャベスVSテーラーから30周年」と特集した。
試合は米国ラスベガスのヒルトン・センターで開催。ともに無敗のWBC王者チャベスとIBF王者テーラー。66勝(55KO)のメキシコの帝王チャベスに対し、ロサンゼルス五輪フェザー級金メダリストからプロ転向し、24勝(14KO)1分けと黒星知らずのテーラーが王国米国の意地をかけて激突した。
3階級を制し、すでに伝説化されていたチャベス優位との前評判に反し、試合はテーラーがスピードと鋭いパンチで圧倒する。しかしポイント不利のチャベスが最終回に猛攻に出る。残り25秒ほどで右ストレートで効かせると、残り16秒、ニュートラルコーナーで右ストレートをたたき込み、痛烈なダウンを奪った。
カウント8で何とか立ち上がったテーラーだが、ファイティングポーズはとれず、リチャード・スティール主審の「OK?」の問いかけにも曖昧な反応。続行不可能と判断したスティール主審は試合をストップした。
TKOタイムは最終回2分58秒。残り2秒しのぐことができれば、テーラーの判定勝ちでチャベスの伝説を崩すことができただけに、ダン・デュバ・トレーナーら陣営は猛抗議。ストップのタイミングを巡ってファンの間でも大論争が生じた。
劇的な結末も含め、試合自体は文句なしに好勝負。リング・マガジン誌の「ファイト・オブ・ザ・イヤー」に選出されている。両者は94年9月に再戦し、チャベスが8回TKOで因縁に決着を付けた。




