「プロレス・新日本」（５日、東京ドーム）

　１９８９年のデビュー以来、３０年以上にわたってジュニアヘビー級をけん引してきた獣神サンダー・ライガーの引退試合が行われた。ライガーは若手時代のライバルだった佐野直喜（５４）とタッグを組み、現ＩＷＧＰジュニア王者の高橋ヒロム（３０）、リュウ・リー組と対戦。１２分１６秒、ヒロムがタイムボムからの体固めでライガーから３カウントを奪った。最後の試合を終えたライガーの一問一答は以下の通り。

　「お疲れ様です。泣いてないよ（笑）」

　－今の気持ちは。

　「うーん、やはりチャンピオン・ヒロムの強さですね。何やっても吸い込まれる。ファンの皆さんどう見ているか分かりませんけど、二枚も三枚も彼が上手でしたね。そういう中で僕が出した決断、引退は間違いなかったと思いますし。これからの新日本プロレス、みんな大変だぞ～と思う。でもケガしないでますます盛り上げてほしい。ヒロム選手が最後、『俺がもっともっとジュニアをデカくする』と僕の耳元で言ってくれたので。あとは放送席から『すげー』と言っておきますよ」

　－昨年の引退発表からここまでの９カ月間の引退ロードを振り返って。

　「望み通りですね、なんの悔いもないし。どうしても引退会見というとしんみりするが、好きじゃないので、しんみりするのは。『本当に引退するのかな？』と、そういう声が聞こえたら１００点満点」

　－「辞めないで」という声も。

　「試合が始まったらそんなの関係ないし、とにかく今日の試合、対角線にチャンピオンがいますから。下手な試合したら『やっぱりライガーはダメだね』と言われるし、ファンが『もったいない』『やめないで』と、そういう声を発してくれたら僕にとっては１００点満点の引退試合だったんじゃないかなと思います」

　－昨日は過去、今日は未来のようなカード。

　「僕の中ではすごく満足している。しんみりした内容にだけはしたくなかったので。今日は真っ正面からぶつかっていって粉々に砕かれました。これでもう悔いはないでしょう。ここまで完璧にたたきつぶされて、ヒロム選手が『僕がもっと新日本のジュニアを大きくします』と言ってくれたので、もういいでしょう。何も言い残すことがないです」