京口&拳四朗が“強敵”対談 好敵手だからこそわかるお互いの強み語る

 ボクシングや今後の人生についてトークを繰り広げた寺地拳四朗(左)と京口紘人
2枚

 WBC世界ライトフライ級王者の寺地拳四朗(27)=BMB=とWBA世界ライトフライ級スーパー王者の京口紘人(26)=ワタナベ=の特別対談が実現した。大学時代に4度拳を交えた2人は、それぞれ別団体ながら同階級の世界王者に君臨する。23日に7度目の防衛戦を控える寺地と、10月に2度目の防衛を果たした京口。来年以降に日本人王者同士の統一戦実現が待望される両雄が、熱く語り尽くした。

  ◇  ◇

 -2人が互いに意識したのは大学生の頃か。

 京口「そうです。階級が一緒なんで」

 拳四朗「どっちもそんな感じやね」

 京口「この童顔でこの強さ。名前も拳四朗なんで秘孔突かれんように気を付けようと。指1本でやられるんで、それだけ気を付けようと思ってました(笑)」

 -ボクシングスタイルは互いに当時から変わっていないか。

 京口「(拳四朗は)クッソ、ファイターでしたよ」

 拳四朗「アマチュアは3分×3(ラウンド)で時間がないから。手数やんな」

 京口「ホンマの短距離走です。自分も今以上にアグレッシブやったんで、足を使われたこともあるんですけど、(拳四朗と)ずっと打ち合ってました」

 -最初の対戦は京口選手が勝った。

 京口「(拳四朗が)全然練習してなかった。ボートレースに行くか行かへんかの時やったんで」(注…拳四朗はボートレーサー養成所を2度受験)

 拳四朗「その時の記憶があんまり…」

 京口「大丈夫ですか!?」

 拳四朗「(京口は)僕より僕のこと覚えてる」

 京口「いやいや分かるでしょ!10-9(の判定)やったんですよ」

 拳四朗「すごいな」

 京口「2回目は翌年(13年)のリーグ戦です。その時マウスピース忘れて、急きょ関大の誰か知らん人のをポットのお湯で柔らかくして自分の歯型に合わせたやつを使ってボコボコにされた。3回目がその年の国体の近畿ブロック予選で負けて、4回目が東京国体の準決勝で負けてるんです」

 拳四朗「他の人のも覚えてる?」

 京口「だいたい覚えてますよ」

 拳四朗「すげえなー」

 京口「7、8割は覚えてます」

 -拳四朗選手は覚えていないのか。

 拳四朗「えー、打ち合ってたよな」

 京口「打ち合ってましたよ。2回目の時は足使ってました。空振りさせられてポンポンとジャブ打たれた」

 拳四朗「今(のスタイル)に近いな」

 京口「3回目、4回目はずっと打ち合ってましたね」

 -プロになって互いを意識することはあるか。

 京口「プロになった当時は(自分が)階級が下やったんで戦うって意識はないですけど、ライバルっていう意味では(意識は)ありました。僕が(階級を)上げた時に(拳四朗は)同じライトフライにいるんで。やっぱ目指すのは世界チャンピオン、そこは意識します」

 拳四朗「意識するね」

 -互いを見てプロになってからの変化はどう感じているか。

 拳四朗「(京口は)よりパワフルな感じになったかな」

 京口「お互いじゃないですか。僕はまだパワーに偏る時がある。倒すパンチって違うじゃないですか。(拳四朗は)その倒し方っていうのを最近(分かってきている)。この間(7月のジョナサン・タコニン=フィリピン=戦のKO)も右をピンポイントで当てた」

 拳四朗「まだ分からへんでオレも」

 -期待されているのは2人の統一戦。

 京口「お互いが世界チャンピオンになってるんで、目指すところはそこしかないんじゃないですか。お互いに高め合える間しかこういう盛り上がることはできない」

 拳四朗「確かに」

 京口「僕らにしか出せないことをやるしかない。てなると、こういう統一戦なんですよね。ファンが求めてるものを提供して盛り上げるのはプロの役目だと思います。だから(統一戦は)一番の理想じゃないですか。盛り上がるし金にもなるし、分かりやすいじゃないですか。世界チャンピオンで日本同士、どっちが強いかみたいなの。なんやかんやで話題に出てくるのは統一戦なんで、話題に上がってるうちは勝ちやと思ってるんで」

 拳四朗「確かに。出てるだけありがたいです」

 -拳四朗は23日に7度目の防衛戦を控えている。2人の統一戦はその次ぐらいという感じですか。

 京口「(拳四朗の)年末の結果次第ってのもありますし、来年中とか、お互いの折り合いつけばって感じですね。でも、より現実的にはなってきたんじゃないかなと思いますね」

 拳四朗「正味、上の話やろ、オレらじゃなくて」

 京口「そうですね。でも、ほんまに近い将来じゃないですか」

 -まずは勝たないといけない。

 拳四朗「もちろんです。勝ちますよ」

 -現在の互いの強みをどのように見ているのか。

 拳四朗「(京口は)前に前にっていうアグレッシブさじゃないですか」

 京口「(拳四朗は)ジャブじゃないですか。ジャブであれだけ打てる人ってなかなかいない。あとは最近だとリスク負って倒しにいく姿勢というか。KOにこだわりだしてから結果がすごい出てる。リスク負ってでも、ああいうドンピシャのタイミングで打ち抜いたりとかというのは今までにない」

 拳四朗「ジャブは大事」

 京口「プロになって一番初めに思ったのが、強い選手は共通してジャブがうまいんですよ。あとメンタルもめっちゃ大事」

 拳四朗「(12ラウンド)長いもんなー」

 京口「メンタルですごい左右される」

 拳四朗「ポンってもらった時も一瞬切れへん?」

 京口「スイッチがニュートラルになる。だからメンタルはすごい大事っすね。どんだけ身体能力が高くても、メンタルがダメやったら世界は取れないと思います。メンタルはパンチ力やスピードとか以上に重要なポイントだと思います」

 拳四朗「(12ラウンドは)長いもん。3分終わって(コーナーに)帰るん嫌やもん。また一から始めなあかんから。1回休憩してまた始まる」

 京口「スパーとかでも全然しんどくなかったのに、インターバル入って、また始まる時『しんど』みたいな。1度ニュートラルになって、また燃焼させるのしんどいんすよ。よく電気消して着けたら電気代かかるって言うじゃないですか、同じっすね」

 拳四朗「8(ラウンド)ってあと4(ラウンド)って思わへん?でも5(ラウンド)あるねんね、あれって」

 京口「小学生でも分かる話でしょ(笑)」

 (話題が変わり、京口から質問)

 京口「彼女とかいなんですか」

 拳四朗「いいひん。フリーです」

 京口「あっはっは」

 -今はモテるのでは?

 拳四朗「知れてますよ」

 京口「『知れてますよ』って。モテてるヤツや、これ(笑)」

 拳四朗「全然」

 京口「あっはっは、えーっ?」

 -京口選手は?

 京口「モテないです。そんなにというレベルじゃない。モテないです」

 -彼女はいる?

 京口「いないです」

 拳四朗「彼女いたらいいけど、いいひんかったいいひんかったでいいし、どっちがええんやろとか思わへん?」

 京口「自分にプラスに働くんだったら。支えてくれて、そういう人がいるんだったらいいと思いますし、結婚もいいと思う。結婚願望はもちろんありますし。結婚願望あります?」

 拳四朗「あんまないかも。今すぐではないかも」

 京口「僕もそうです。今すぐって訳じゃないですけど、現役中でそういう人が現れたら、全然ありやとおもうんで。別にモテたいからって言うのはあんまりないですね。有名になりたいって言うのはありますけど、モテたいために世界チャンピオンになりたいっていうのはないですね。そこに照準合わせてやってるわけじゃないですよ。モチベーションにはしていないです」

 拳四朗「でも結果、モテたらよくない?」

 京口「まあまあ…」

 拳四朗「あはは」

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