ゴロフキンが初黒星、村田に影響か…ミドル級頂上対決でカネロ判定勝ち

 「ボクシング・WBAスーパー・WBC世界ミドル級タイトルマッチ」(15日、ラスベガス)

 ミドル級の頂点を決める因縁の再戦が15日(日本時間16日)、米国ラスベガスのT-モバイル・アリーナで開催され、元世界2階級王者サウル“カネロ”アルバレス(28)=メキシコ=が2-0(114-114、115-113×2)の判定でWBAスーパー、WBC王者ゲンナジー・ゴロフキン(36)=カザフスタン=を破り、新王者となった。

 40戦目で初黒星のゴロフキンはWBA王座21度目、WBC王座9度目の防衛に失敗。バーナード・ホプキンス(米国)と並んでいた同級の最多防衛記録を更新することはできなかった。王座の移動でゴロフキンとの対戦を熱望していたWBA世界同級正規王者・村田諒太(32)=帝拳=の今後にも影響を及ぼすことになりそうだ。

 1年ぶりに実現した因縁対決だった。両者は昨年9月16日、同会場で初対戦。当時、IBF王座も含めて3団体のベルトを持つゴロフキンにカネロが挑戦した。終始前に出て攻めたゴロフキンが優位かと思いきや、判定は大きく割れて三者三様で引き分けとなった。

 当然のように再戦が5月5日に組まれる。しかしアルバレスが2月に受けたWADA(世界アンチドーピング機構)の検査で禁止薬物クレンブテロールの陽性反応が検出されたため試合は急きょ中止となる。

 アルバレスは汚染されたメキシコの肉を食べたためで、意図的な薬物摂取はないと主張したが、ネバダ州アスレチック・コミッションからは6カ月の出場停止処分を科された。ゴロフキンは5月に代役挑戦者のバネス・マルチロシャン(米国)を2回KOであっさり退け、この試合を迎えた。

 紆余曲折を経ての再戦は、初戦とは異なる展開で進む。2回からアルバレスが前に出て圧力をかける。4回からは得意のボディーも効果的に使う。アルバレスは5回に左目上をカットしたが、攻勢を止めなかった。後半、ゴロフキンも手数で応戦し、両者ダウンのないまま判定へ。僅差で新王者が誕生した。

 ドーピング騒動を乗り越えての決着戦に、アルバレスは「感情が昂ぶって言葉がない。自分を信じてくれたみんなありがとう。ビバ、メヒコ!」と絶叫。ゴロフキンについて「素晴らしいライバル。2人の素晴らしいファイターにはライバルという存在が必要なんだ」と実力を認めた。そして「家族と休んだ後、やりたくなったらあるでしょう」と3度目の対戦の可能性にも触れた。

 アルバレスの通算戦績は53戦50勝(34KO)1敗2分け。ゴロフキンは40戦38勝(34KO)1敗1分けとなった。

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